日本政府、チリに医療機器支援として無償資金協力

(チリ)

サンティアゴ発

2020年09月11日

チリ駐在の平石好伸大使は9月8日、アンドレス・アラマンド外相とともに、医療機器支援として日本から5億円の資金協力を供与する協定に署名した。チリの経済社会開発計画の一環として、チリ国際開発協力庁(AGCID)と在チリ日本大使館、国際協力機構(JICA)の3機関が2020年4月から協定の交渉を重ねていた。新型コロナウイルスにより脆弱(ぜいじゃく)性が露呈したチリの保健や医療システムの強化を目的としている。この資金協力により、チリ側では最新のX線装置と除細動器(注)を調達した後、医療提供体制が逼迫した地域の医療機関へ優先して配布される予定となっている。

チリ保健省によると、9月8日時点のチリ国内の新型コロナウイルス累計感染者は42万5,541人。一時は100万人当たりの感染者数が世界トップクラスを記録しているとされたが(2020年6月22日記事参照)、7月中旬ごろから増加ペースは鈍化傾向にあり、国内では地域ごとの衛生措置の緩和が進行しつつある。署名式典でアラマンド外相は、外交関係樹立から2017年に120年を迎えた両国が友好的な関係を築いてきたことに触れ、資金協力への謝意を述べた。

(注)心臓の異常に対し、電気的な刺激を与える医療機器。日本では自動体外式除細動器(AED)が一般的。

(岡戸美澪)

(チリ)

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