外出禁止の対象地域を拡大、保健省公開の数値への不信感強まる

(チリ)

サンティアゴ発

2020年06月22日

チリ保健省は6月17日、外出禁止措置の対象地域の拡大を発表した。新たに対象に加わったのはバルパライソ州のサン・フェリペとロス・アンデス、オイギンス州のランカグアとマチャリ、マウレ州のクリコの中心部の計5つのコムーナ(注1)で、19日午後10時から適用開始となる。また、前回の発表時(2020年6月15日記事参照)に対象となった首都圏をはじめとする地域についても、適用をさらに7日間延長することとなった。

保健省が17日に更新した国内の新型コロナウイルス感染者数の累計は22万628人で、前日比3万6,179人増加したが、これには過去に計上漏れとなっていた約3万人が含まれていると発表した。同省は以前から、定例会見やウェブページ上のレポートで「死亡者数」や「アクティブな感染者数」(注2)などの指標を公開しているが、これらの指標をカウントする上で前提となる定義について、過去数回、変更を加えている。変更については、世界保健機関(WHO)などの専門機関とも協議の上で行っているものの、今回の計上漏れと併せて、保健省が公開する情報への不信感が強まっている。6月17日付「ラ・テルセラ」紙では、これまでに国内の感染者数の累計が20万人を超えたのは、チリ以外では米国とブラジル、ロシア、インド、英国、スペイン、イタリア、ペルーの8カ国のみで、人口100万人当たりの感染者数については、9カ国中でチリがトップと報じている。

(注1)コムーナとは、国の地方行政の基本単位

(注2)新型コロナウイルス感染者のうち、他者への感染リスクを有する感染者

(佐藤竣平)

(チリ)

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