国際機関が大統領選挙プロセス改善を求める

(コートジボワール)

アビジャン発

2020年09月24日

9月14日の憲法評議会において、3期目立候補となる現職のアラサン・ワタラ大統領の被選挙資格が認定されたことにより、野党の反発が高まっており、国際社会も懸念を強めている。コートジボワールでは、10月31日に大統領選挙が予定されている。

主要野党、労働組合、市民社会の合流グループは9月20日、アフリカ連合のアフリカ人権裁判所による「独立選挙管理委員会の再編」を促す判決(2020年8月13日記事参照)を政府が受け入れないことに懸念を示し、国内全ての勢力の合意による独立性の保たれた公正な選挙管理機関の設置を求めた。さらに国際社会に対し、2020年6~7月に登録された選挙人名簿の内容確認を要請するとともに、政権与党の行動が社会不安を助長し、部族間の衝突や内戦に発展する危険をはらむものだと訴えた。

EUは9月18日、憲法評議会の決定を注視しているとし、国内の全政治勢力に対し、持続的な国内融和に向けた対話を促す声明を発表した。また、全ての勢力に受け入れられる信頼のできる投票結果を保証するため、選挙プロセスにおける包括性、透明性、言論の自由、法治国家の原則を支持する立場を確認し、支援の継続を表明した。一方、最近の暴力を伴う衝突や対立により死傷者が出ていることに憂慮を示し、政府に対し責任の在処を明らかにするよう訴えた。

モハメッド・シャンバス西アフリカ・サヘル地域担当国連事務総長特使は9月21日、コートジボワールを訪問し、ワタラ大統領との会談で、選挙プロセスにおける合意の欠如に懸念を示し、合意形成を阻む問題について対話による解決を促した。

(渡辺久美子)

(コートジボワール)

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