香港政府、防疫措置を1週間延長、飲食業などの規制継続

(香港)

香港発

2020年08月19日

香港政府は8月17日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて実施している防疫措置について、8月25日まで1週間の延長を発表した。飲食業などに対する各措置(2020年8月5日記事参照)を16日からさらに延長するかたちとなった。16日までとしていた公務員の在宅勤務措置は23日まで延長した。

発表では、社区(地域コミュニティー)が主要感染源となり、異なるエリアや業態に幅広く感染が拡大しており、感染源が不明な事例の比率も高くなっていることから、現時点では措置を緩和する段階にはないとしている。

発表された延長措置は以下のとおり。

(1)飲食業関連

  1. 午後6時~翌日午前4時59分まで、店内での飲食提供を停止。テークアウトやデリバリー営業は可
  2. 店内で取るべき措置:飲食時以外はマスク着用、入店時の検温と消毒液の提供。テーブル間は1.5メートル以上確保、座席数は通常時の半分、1テーブルの着席数は2人まで。
  3. 店内におけるライブ演奏やダンスは不可
  4. バーの営業停止

(2)その他施設:ゲームセンター、サウナ、健康センター、劇場、映画館、ネイルサロンなど美容関連店舗、カラオケ、麻雀店、プールなどは営業停止。

(3)屋内外の集合:公共の場における3人以上の集合は禁止。

(4)屋内外でのマスク着用:公共交通機関利用時など全ての公共の場におけるマスク着用を義務付け。

飲食店の苦境は継続

飲食店の営業時間制限に関しては、「現行の午後6時からを、午後9時または同10時に変更する案が検討されている」との報道があり、飲食店などの関係者は期待しながら政府の新たな措置発表を待っていた。今回の延長措置を受け、立法会の張宇人議員(飲食業界選出)は「非常に失望している。措置は1カ月以上継続しており、飲食店は死の瀬戸際だ」とコメントした(「信報」8月18日)。

(渕田裕介)

(香港)

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