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幹部職への国民の登用不足で、47社に警告

(シンガポール)

シンガポール発

2020年08月13日

人材省(MOM)は8月5日、シンガポール国民の幹部登用が少ないと判断した47社を新たに警告リスト「ウォッチリスト」に加えたと発表した。同リストの対象となった企業は、外国人の幹部・専門職向け就労パス「エンプロイメント・パス(EP)」が、通常よりも厳格に審査される。この間、シンガポール国民の幹部登用に向け社内の人事体制に改善が見られなければ、外国人の就労パスを申請する権利が剥奪される可能性もある。

MOMの発表によると、今回、ウォッチリスト入りした47社のうち30社が金融と専門サービス部門で、残り17社が行政・サポートサービスや製造、教育サービスなどの企業だ。特に金融・専門サービスの場合、幹部・専門職に同一の外国籍の人材が集中しており、ある銀行の場合に幹部・専門職の約3分の2が同一の外国籍の人材だとしている。

同省は2014年から、シンガポール国民の雇用促進を目的に「公平な採用検討のためのフレームワーク(FCF)」を開始。同年8月から雇用主に対し、EP申請前に地元人材を対象にした求人バンクへの求人広告の掲載を義務付けた。さらに、2015年8月からは、政労使代表からなる「公平で革新的な雇用慣行のための政労使連合(TAFEP)」が、国民の幹部登用が少ない企業の審査を開始した(2017年11月7日記事参照)。MOMの発表によると、ウォッチリスト入りした企業は2016年から現在までに約1,200社に上る。

さらに、MOMは今回リスト入りした47社に加え、データアナリティクス(予測分析)を用いて、国民の採用を検討する前に外国人を採用したり、FCFに基づく求人広告掲載義務を怠った可能性のある約240社を特定したとしている。同省は発表の中で、「この厳しい時期には特に、地元の求職者が公平に扱われるよう不公平な採用慣行を監視していく」と述べた。さらに、国民に対して、不公平な採用を行っている雇用主がいればTAFEPに報告するよう呼び掛けた。

MOMの最新雇用統計(7月29日発表)によると、2020年第2四半期の解雇者は速報値で約6,700人と、2003年の新型肺炎(SARS)流行ピーク時の解雇者(5,510人)を上回り、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、国内雇用環境が急速に悪化している。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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