第2四半期のGDP成長率、前年同期比マイナス14.1%、1982年以降最低に

(チリ)

サンティアゴ発

2020年08月20日

チリ中央銀行の発表(8月18日)によると、2020年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率は前年同期比マイナス14.1%と大幅に落ち込んだ(添付資料表1参照)。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う国内外の景気悪化が要因となり、1982年の第1四半期(1~3月)にマイナス16.1%を記録して以降、最低の水準を記録した。

需要項目別に見ると、全ての項目でマイナスとなり、内需は前年同期比19.1%減と大幅に減少した。新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出制限などによるサービスや非耐久消費財の家庭消費の減少が影響している。総固定資本形成は、建設工事の減少や投資プロジェクトの延期により、建設・その他の投資で17.4%減、輸送用・産業用機械の輸入減により、設備投資が10.9%減となったため、マイナス15.1%の大幅減となった。財貨・サービスの輸出入は、輸出が2.8%減、輸入が21.4%減だった。輸出減は主に観光サービスの落ち込みによるもので、輸入減は金属製品、機械、設備の減少によるもの。

経済活動別にみると、鉱業、金融サービス、公共サービス以外の全ての項目で前年同期比減となった(添付資料表2参照)。減少幅が大きかったのはレストラン・ホテル(52.8%減)、運輸(34.4%減)、個人サービス(27.9%減)。運輸は、外出禁止令によって移動制限が課されたことから、バスや地下鉄などの陸上旅客輸送で最も後退し、航空旅客輸送も国内線、国際線ともにマイナス成長となった。個人サービスは、学校の休校措置による教育サービスの減少が影響した。

イグナシオ・ブリオネス財務相は「第3四半期(7~9月)も引き続きマイナスの成長率となろうが、第4四半期(10~12月)から2021年にかけて大幅な改善が見込めるよう、プラス成長を期待している」とコメントしている。

(岡戸美澪)

(チリ)

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