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コロナ禍で子供の貧困率が62.9%に一層拡大の見通し

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2020年08月18日

国連児童基金(ユニセフ)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは8月5日、2020年末のアルゼンチンの子供(18歳未満)の貧困率の見通しを62.9%、うち「構造的貧困」とも称される極貧層は18.7%となる見通しを発表した。

ユニセフは、アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)の貧困率の公式データ(注)と、IMFが発表する経済成長率(実質GDP伸び率)を基に、国の総人口約4,500万人における子供の貧困率を算出している。2020年4月に同指標を発表していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、IMFが6月末に世界経済の見直しを下方修正したため、ユニセフも貧困率指数の見直しを行った。

ユニセフによれば、アルゼンチンにおける2019年下半期の子供の貧困率は53%で、これは約700万人に相当する。2020年4月に公表した2020年末の見通しでは、子供の貧困率が58.6%に拡大するとし、さらに今回の見直しでは62.9%、約830万人に膨れ上がるとした。極貧率は、2019年下半期には14.1%で約180万人だったが、2020年末には約240万人に増加する見通し。また、2021年の貧困率の見通しでは、子供の61.3%が貧困層、うち17.8%が極貧層と、それぞれわずかに減少するが、新型コロナウイルス感染終息後の大きな回復はみられないとしている。ちなみに、INDECが4月に発表した2019年の貧困率データでは、総人口に対する貧困率は35.5%で、若年層も4割を超していた(2020年4月8日記事参照)。

ユニセフ・アルゼンチンの代表は「政府が打ち出した個人事業主やインフォーマルセクターの労働者に対する1万ペソを給付する経済支援「緊急家庭収入(IFE)」は、約280万世帯(約1,300万人)が受け取っている」と説明し、「さらに多くの世帯が極貧層に陥らないためにも、これらの経済支援の継続は必須」だと主張した。

新型コロナウイルス感染拡大による景気後退は、さまざまな社会問題を悪化させている。8月7日付の現地紙「ラ・ナシオン」によれば、数多くの民間調査会社が実施している世論調査などでは、市民が最も懸念するのは、「経済面」だけではく、「治安の悪化」となっている。外出禁止令が発令された直後の3月から4月にかけては、新型コロナ感染拡大による「衛生面の懸念」と回答した人の割合が最もが高かったが、7月には「治安、汚職、インフレ率など」と回答した人の割合が逆転した。

 写真 ブエノスアイレス市内の街角で寝るホームレスも増加(ジェトロ撮影)

ブエノスアイレス市内の街角で寝るホームレスも増加(ジェトロ撮影)

(注)INDECの貧困率は、世帯アンケート調査および基礎的全体・食料バスケット購入費を基に算出される。1世帯当たりの基礎的食料バスケット購入月額の貧困ラインと極貧ラインを定めている。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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