世界でも上位の感染状況続く、空港到着時は書類などで審査

(イラン)

テヘラン発

2020年08月24日

イラン保健省の発表によると、8月23日の新型コロナウイルスの新規感染者数は2,113人(前日比85人増、累計35万8,905人)、死亡者数141人(前日比15人増、累計2万643人)となっている(添付資料図1、2参照)。引き続き、世界でも上位の感染状況となっており、予断は許さないが、1日当たりの感染者数は8月以降は緩やかな減少傾向で、死亡者数は3~4月ごろの第1波の水準を下回りつつある。

また、新型コロナウイルス感染拡大により、イランの出入国時の規制・手続きも随時変更されている。8月21日時点の情報だが、筆者がイランに渡航し、イマーム・ホメイニ国際空港に到着した時の流れを報告する。

(1)飛行機が同空港に着陸後、搭乗客は通常どおり降機。パスポートコントールの手前(査証窓口付近)に書類などをチェックする係官らが待機している。今回は通路の両脇にそれぞれ1人ずつ、計2人の係官が順番に搭乗客の書類などを確認した。

(2)確認された書類は以下のとおり。

  1. パスポート
  2. 出発国に発行された陰性証明書(英語)(2020年8月3日記事参照
  3. 新型コロナウイルス感染に係る自己申告書(日本出国時、および機内でも配布される。英語・ペルシア語併記で、症状の有無や感染者との接触状況を申告する書類)

(3)書類がそろっていれば、手続き自体は速やかに完了する。ただし、係官の数が2人と少ないので、後列に並んだ場合、あるいは他の搭乗客に書類の不備があった場合などは、時間を要する可能性がある。

(4)上記の書類を提出する以外、PCR検査は行われない。その後、ゲート状の機械から消毒液のような霧を浴びて、新型コロナウイルスに関連する手続きは完了する。

(5)上記手続き後、通常どおりパスポートコントロールを通過し、預け入れ荷物の受け取りという流れには変更はない。

(6)なお、新型コロナウイルスとは直接関係ないが、税関用の手荷物申告書(英語・ペルシア語併記)も機内で配布される。日本の税関同様、違法・高額な物品がないかどうかなどの自己申告書で、税関を通る時に係官が回収する。

(7)上記係官や空港関係者は全員マスクを着用しており、以前に比べて感染対策は講じられている印象を受けた。

上記は8月21日時点の状況であり、制度・運用が適宜変更されることが予想されるため、最新の情報については空港当局や航空会社などにも確認すること。

(中村志信)

(イラン)

ビジネス短信 d7c6c14bcee8f155