バーデン・ビュルテンベルク州、インダストリー4.0のプロジェクトを新たに13件採択
(ドイツ)
ミュンヘン発
2020年08月13日
ドイツのバーデン・ビュルテンベルク州経済・労働・住宅省は8月3日、インダストリー4.0の実用化プロジェクトを表彰する「インダストリー4.0のための100カ所(100 Orte für Industrie4.0 in Baden-Württemberg)」に、新たに13のプロジェクトを採択したと発表した。
「インダストリー4.0のための100カ所」では、州内の企業や研究機関によるインダストリー4.0に関するプロジェクトを四半期ごとに募集し選出する。2015年から実施しており、今回選ばれた13プロジェクトを含め、これまでに181の企業・研究機関などが採択された。専門家で構成される審査委員会が、インダストリー4.0のための実用性や革新性などを基準に採択・順位を付す。
2018年からは、重点テーマを選び、当該テーマのプロジェクトを中心に採択。2019年4月からは人工知能(AI)を重点テーマとしており、今回採択された13プロジェクトのうち、6つがAI関連だ。1位は、ソフトウエアを活用し倉庫管理を効率的に行うカスト・マシーネンバウ(KASTO Maschinenbau)。ERPソフト向けのAIを開発したキマティックス・ソリューションズ(Qymatix Solutions)が2位だった。なお、今回13位だったMBOポストプレス・ソリューションズ(MBO Postpress Solutions)は日本の小森コーポレーションの子会社だ。
カトリン・シュッツ・バーデン・ビュルテンベルク州経済・労働・住宅省次官は今回の表彰について、「インダストリー4.0に取り組む先駆者が知られる機会となり、また、他企業にとっても実例として参考になる」とコメントした。これまでに選ばれたプロジェクトは、「バーデン・ビュルテンベルク州インダストリー4.0アライアンス」のウェブサイトで公開されている。
「バーデン・ビュルテンベルク州インダストリー4.0アライアンス」は、同州が2015年3月に設立した組織だ。生産技術とITの融合を目指し、特に中小企業のデジタル化、インダストリー4.0の導入を支援する。具体的には、今回の表彰やセミナーなどを通じて、関係企業・研究機関間のネットワークを促進する。
バーデン・ビュルテンベルク州には、ダイムラー、ボッシュなどの自動車・同部品メーカー、トルンプ、フエストなどの機械メーカーが本拠地を構えるなど、製造業が集積する。一方で、SAP、ベヒトル(Bechtle)、チームビューワー(TeamViewer)をはじめとするソフトウエア・IT関連企業の本社も存在、生産技術とITの融合の素地がある州といえる。
(クラウディア・フェンデル、高塚一)
(ドイツ)
ビジネス短信 ce4adfd01c6f160c