中国宝武、鉄鋼中堅との統合で粗鋼の生産量が年間1億トンへ

(中国)

上海発

2020年08月26日

中国鉄鋼最大手の中国宝武鋼鉄集団(以下、中国宝武)は8月21日、山西省政府と合意し、省政府の傘下にある太原鋼鉄の株式51%を無償で譲り受けると発表した。

中国宝武は今回の統廃合について「鉄鋼業界の健全な発展のために行う構造改革」と位置付ける。今後、中国宝武の所有権を持つ国務院国有資産監督管理委員会の許認可と、独占禁止法執行部門の審査が必要となる。

太原鋼鉄はステンレス鋼を中心に炭素鋼、複合鋼材の生産を手掛ける中堅鉄鋼メーカーで、鋼材の年間生産能力1,294万トンで、2019年の粗鋼生産実績は1,086万トンに上る。中国宝武の2019年の粗鋼生産量は9,546万トン、太原鋼鉄との統合が実現すれば生産量は1億トンを上回る。

中国政府は長年にわたり粗鋼の生産過剰能力の削減を図り、鉄鋼業界の統廃合を進めてきた経緯があり、今後も、中国宝武を軸に業界再編が続くとみられる。

(劉元森)

(中国)

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