6月の産業活動指数、前年同月比12.3%減、前月比では回復

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2020年08月26日

アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)は8月20日、6月の産業活動指数が前年同月比で12.3%減少したと発表した(添付資料図参照)。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、政府は3月20日に外出禁止令を発出し、4月は特にその影響を受けたが、5月以降、商業や製造業の一部の企業活動再開を許可したため、6月も前月比では7.4%増(季節調整済み)の回復が見られた。2020年上半期(1~6月期)では、前年同期比12.9%減だった。

産業別に前年同月比の推移をみると、電気・ガス・水道(前年同月比3.6%増)と金融仲介業(4.8%増)を除く産業項目全てでマイナスとなった(添付資料表参照)。引き続き前年同月比減を記録したものの、4~5月に比較して回復を見せたのは、商業(0.3%減、4月27.9%減、5月20.7%減)と、製造業(7.3%減、4月33.9%減、5月25.5%減)となっている。建設業は41.9%減で依然として大幅な落ち込みを見せたが、地方都市などで公共事業活動の再開などが許可され、4月の86.1%減、5月の61.8%減に比較すると、わずかながらも回復傾向にある。農業・牧畜・狩猟・林業(9.6%減)と漁業(53.6%減)は、主に新型コロナ感染拡大の影響による国際市場の低迷や輸出先国の港の閉鎖などが影響したとしている。漁業の場合、労組問題によるストライキなども発生し、大きく影響した。

今後の見通しについては、7月上旬には感染状況が悪化したことで外出禁止令が厳格化されたため、再びその影響が表れるとの見込みだ。8月20日付の現地紙「エル・クロニスタ」によると、エコノミストらの分析では、6月の見通しが2.0%から2.5%増にとどまるとしていたため、INDECの前月比7.4%増は予想外だったとした。なお、2020年の経済見通しは12.5%から13.0%落ち込むとしている。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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