アフリカ、新型コロナウイルス感染者数が100万人を突破
(アフリカ)
中東アフリカ課
2020年08月13日
アフリカ大陸の新型コロナウイルス感染者数が、8月7日に100万人に達した(Our World in Dataによる)。しかし、ここにきて感染者数の伸びには変化が見られており、1日当たりの新規感染者数は7月25日の2万650人をピークにその後、徐々に伸びが鈍化している。アフリカで最も感染状況が深刻な南アフリカ共和国でも同日をピークとして伸びが鈍化してきている。
アフリカで2番目に累計感染者の多いエジプトも、6月をピークとして7月は伸びが大幅に鈍化、1日当たりの新規感染者数は200人を切る状況となっている。コートジボワールも7月下旬以降、新規感染者数は100人台に抑えられている。ナイジェリアにおいても、ピークアウトというには時期尚早ながら、徐々に伸びが鈍化してきている(添付資料図1参照)。
一方、感染が右肩あがりに伸びているのは、エチオピア、ケニア、モロッコで、特にモロッコでは7月に入り新規感染者数が急伸している(添付資料図2参照)。検査数が日によって異なるためか、ガーナも振れ幅は大きいが増加傾向にある。発表されているデータの信頼性や、検査体制の違いなどから、単純比較はできないものの、少なくともデータ上ではアフリカ各国での感染状況について明暗が分かれていることがうかがえる。
こうした中、アフリカ側では、感染拡大防止に向けた協調的な取り組みも行われている。6月にはアフリカ連合(AU)を中心として、加盟国政府と認定医療関係機関がオンライン上で医療資機材や個人保護具などを簡単に調達できる「アフリカ医療用品プラットフォーム」を構築し、運用を開始した(注)。7月17日のプレスリリースでは、1日当たり約40件の新規掲載申し込みがあるとされており、中南米のカリブ共同体加盟国政府にも同プラットフォームを使えるようにするなどの動きもあるという。しかし、こうした取り組みにもかかわらず、各国が経済再開に舵を切る中で、各国の政府・国民が十分な感染対策をとれているとは言い難く、新規感染者数の伸びが鈍化してきている国でも第2波、第3波が起こる可能性は低くない状況だ。
(注)非営利の取り組みで、中国、カナダ、フランスなど2国間の支援のほか、世界的なNGOや物流関係企業などが協力している。例えば、ビル&メリンダ・ゲイツ財団は、新型コロナウイルスの重症例に効果があるとされる抗炎症薬「デキサメタゾン」を100万人分寄贈すると表明している。掲載される製品は、世界保健機関(WHO)、米国食品医薬品局(FDA)などで認証を受けたもので、決済はアフリカ輸出入銀行を通じてなされる(製品掲載申し込み先リンク)。
(堀田萌乃)
(アフリカ)
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