上半期の貿易収支は61億9,400万ドルの黒字

(チリ)

サンティアゴ発

2020年08月28日

チリ中央銀行が8月24日に発表した資料によると、2020年上半期(1~6月)の貿易(通関ベース)は、輸出(FOB)が前年同期比3.7%減の341億1,700万ドル、輸入(CIF)が19.7%減の279億2,300万ドルで、貿易収支は61億9,400万ドルの黒字となった。

輸出を品目別にみると、構成比52.5%を占める鉱産物は、前年同期比3.1%増の179億1,200万ドルだった(添付資料の表1参照)。銅は、主な輸出先の中国で新型コロナウイルス拡大に伴う景気後退から一時需要が減少したが、感染拡大の鎮静化による中国経済の回復に伴って中国向け輸出が増加し、1.3%増となった。銅の国際価格は、3月23日に1ポンド=2.09ドルまで値を下げたが、在庫の減少と中国経済の回復により価格は上昇し、8月19日には3.02ドルに値を上げている。

農林水産物は、前年同期比11.5%減の39億9,400万ドルだった。ブドウは17.2%減で、主な輸出先の米国(構成比:44.2%)、中国(19.1%)、韓国(5.5%)でいずれも減少した。

工業品は、前年同期比9.8%減の122億1,100万ドルだった。ボトルワインは9.2%減で、主な輸出先の中国、米国向けは減少したが、日本向けは25.8%増だった。サーモンは、主な輸出先の米国(構成比:42.4%)、日本(16.2%)、ブラジル(9.7%)でいずれも減少したため、13.4%減となった。

輸入を品目別にみると、中間財は前年同期比16.0%減の146億3,700万ドルだった(添付資料の表2参照)。エネルギー製品は、石油が45.1%減、ディーゼルが29.5%減と大幅に減少した。消費財は28.9%減の71億6,500万ドルで、自動車が55.4%減と最も減少幅が大きく、続いて衣類が33.4%減だった。資本財は15.6%減で、トラック、牽引車、その他の機械は減少したが、モーター、発電機、変圧器は87.4%の大幅増となった。

輸出を主要地域別にみると、アジア向けが57.7%を占め、金額上位3か国は中国(構成比:36.8%)、米国(13.8%)、日本(9.2%)の順だった(添付資料の表3参照)。中国向けは銅関連製品が増加した一方で、米国向けは銅カソードが減少した。

輸入を主要地域別にみると、米州からが43.9%を占め、上位3カ国は中国(構成比:26.0%)、米国(19.5%)、ブラジル(7.1%)の順。中国からは携帯電話や自動車の減少が、日本からは自動車や関連製品の減少が目立った。

(岡戸美澪)

(チリ)

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