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新型コロナ禍での人材離れを懸念、大連市の技能実習生日本語学校に聞く

(中国)

大連発

2020年08月13日

中国の大連市には日本向けの技能実習生派遣資格を有する企業が67社あり、同派遣において重要な地域だ。そのうちの約8割の企業と連携し、派遣前の日本語教育を行う大連信業達職業訓練学校の楊萍校長に、新型コロナウイルスの影響や対策などについて聞いた(8月10日)。概要は以下のとおり。

(問)新型コロナの影響は。

(答)当校では年間4,000~5,000人に対し日本語教育を実施しており、中国国内では最大規模といえる。日本企業から内定を受けた人が対象で、平均教育期間は3~4カ月だ。日本語教育が終わると、日本への入国に必要な査証手続きを経て日本に渡航する流れだが、新型コロナウイルス感染症の影響による日本政府の査証手続きの停止を受け、手続きの再開待ちとなっている人が既に2,000人を超えている。このような状況が年末まで続くと、関連企業からの人材離れが懸念される。

また現在、日本から中国に渡航して面接できないことや、日本国内の一部の業種の不況によって、技能実習生の募集数が減少しており、結果的に当校の学生数の減少につながっている。例年の月当たりの在校生数は約1,500人だったが、現在は約400人にとどまっている状況だ。

(問)新型コロナウイルス発生後の日本語教育の実施方法は。

(答)新型コロナウイルス発生直後の1月下旬から、オンライン教育に切り替えている。日本語の知識に関する教育においては特に問題ないが、挨拶や礼儀に関する教育は対面の授業と比べ効果が薄い。7月18日に対面授業を再開したが、7月22日に大連で感染者が確認されたため、同市政府の通知を受け、再度オンライン教育に戻している。

(問)介護技能実習生の状況は。

(答)介護技能実習生は、査証手続きの再開を待っている2,000人超のうち約100人、在校生数約400人のうち、10人程度となる。介護は他業種の技能実習と比較して、求められる日本語能力が高く、日本語の習得に時間がかかること、ケア時の事故発生リスクを伴う仕事であること、他業種と給与水準が変わらないこと、などの理由により、当校で介護技能実習生を受け入れ始めた2018年から応募者が少ない状況が続いている。

(問)今後の事業計画は。

(答)介護技能実習生の受け入れにおいて、日本企業は20~30歳前後の若年層の採用を希望しているが、実際には40歳代の中年女性が大半を占める。介護サービス業は高い日本語能力が求められる一方で、中年層は日本語の習得に時間を要する傾向がある。そのため、若年層の介護人材を育成すべく、9月から専門学校を開校し、介護コースの設置を予定している。日本語も教え、卒業後はさらに日本の介護専門学校に進学して勉強し、日本の介護施設での経験を経て中国に戻り、日中の介護サービス業に貢献できる人材を育成する方針だ。

(呉冬梅)

(中国)

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