北朝鮮の2019年貿易額は前年比14.1%増

(北朝鮮、韓国)

ソウル発

2020年08月11日

韓国の大韓貿易投資振興公社(KOTRA)の7月24日の発表によると、北朝鮮の2019年対外貿易額(韓国との貿易を除く)が前年比14.1%増の32億4,500万ドルと推計した(添付資料表1参照)。前年に比べて輸出入ともに増加したが、貿易収支は依然として大幅な赤字(26億8,900万ドル)を記録した。

KOTRAは「2018年の貿易総額の急減に対する反動で3年ぶりに増加したが、国連による北朝鮮制裁の本格的な実施による影響が顕在化する前の2016年と比べると、依然として半分程度の水準」とし、「新型コロナウイルスの影響で2020年5月までの中朝貿易が前年同期に比べて大幅減少しているため、通年では減少に転じるだろう」と見通した。

国別でみると、最大の貿易相手国である中国との貿易額は30億9,440万ドル(前年比13.6%増)に達し、北朝鮮の貿易総額に占めるシェアは95.4%で、中国への依存度は依然として高い(添付資料表2参照)。中国に次いで、ロシア、ベトナム、インド、ブラジルの順だが、2番目のロシアのシェアは1.5%にとどまっている。

品目別にみると、主な輸出品目である鉱物性燃料の輸出が引き続き減少し、繊維製品や履物・帽子、時計などの軽工業製品が増加した(添付資料表3参照)。時計とその部分品(57.9%増)、かつらを含む調製羽毛・綿毛製品(40.9%増)など、北朝鮮の安い労働力を活用した賃加工製品が輸出を牽引している。輸入は、プラスチック製品(23.7%増)や人造フィラメント繊維(36.9%増)が増え、食糧不足の影響で穀物の輸入(3.42倍)も急増した。最大の輸入品目は鉱物性燃料(貿易総額のシェア11.7%)で、中国からの原油輸入推定額(2億9,000万ドル、約50万トン)が含まれている。原油輸入額については、2014年から中国の海関統計では「ゼロ」となっているが、KOTRAは原油輸入推定額を反映している。

〔李丙鎬(イ・ビョンホ)〕

(北朝鮮、韓国)

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