上半期の輸出は微増、電子部品と情報通信機器が好調

(台湾)

中国北アジア課

2020年08月06日

台湾財政部によると、台湾の2020年上半期の貿易額は、輸出が前年同期比0.5%増の1,580億1,720万ドル、輸入が0.4%減の1,366億6,471万ドルとなった。貿易黒字は6.6%増の213億5,249万ドルだった。

月別にみると、6月の輸出額は前年同月比3.8%減の271億3,110万ドルで、4カ月連続でマイナスとなった。輸入額は8.6%減の222億9,381万ドルだった。

財政部が7月7日に発表したプレスリリース(以下、財政部プレスリリース)によると、2020年上半期はオンラインビジネスや第5世代移動通信システム(5G)などの新興技術の活用拡大、台湾企業の回帰投資などにより、台湾域内の生産能力は増加している一方で、依然として新型コロナウイルス感染症の影響が続いており、世界経済は再開したものの初期段階にとどまり、最終需要が縮小している状況は緩和されず、輸出が低迷していると分析した。

主要国・地域別にみると、上半期の輸出は中国、香港、米国、日本向けが増加した(添付資料表1参照)。中でも米国、日本はそれぞれ前年同期比4.5%増、3.5%増と、上半期としては過去最高を更新した。一方、ASEAN、欧州向けはそれぞれ減少した。6月単月では主要国・地域の中で唯一、米国向け輸出が前年同月比3.7%増の40億38万ドルとなった。

輸出を品目別にみると、電子部品、情報通信機器がそれぞれ前年同期比20.2%、10.3%増加し、好調を維持する一方で、その他の主要品目は軒並み減少した(添付資料表2参照)。月別にみると、電子部品、情報通信機器がそれぞれ6月としては過去最高を記録する一方、鉱産物は65.5%減となり、単月では過去最高の下げ幅を更新した。

財政部プレスリリースによると、財政部は今後の見通しについて、オンラインビジネス、5G、人工知能(AI)などの新興技術の普及促進、域内半導体メーカーによるハイエンド製造プロセスの優位性や台湾回帰の動きが引き続き継続されることにより、輸出を後押しする好材料となるとの見方を示す一方で、新型コロナウイルスの脅威は依然として残り、第2波の懸念に加え、米中貿易摩擦の再燃などが下半期の輸出を下押しする可能性があると分析している。

(北野真瑞)

(台湾)

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