ホーチミン市が感染予防策を強化、マスク未着用で罰金も

(ベトナム)

ホーチミン発

2020年08月11日

中部ダナン市から他都市への新型コロナウイルスの感染拡大を受け(2020年7月31日記事参照)、ホーチミン市は感染予防策を強化している。

市は7月26日、文書2820/UBND-VXを出し、7月1日以降ダナン市から戻ったホーチミン市居住者は、自宅待機などのほか、全員医療申告(健康状態の申告)を行う必要があるとした。加えて、7月30日、文書2869/UBND-VXを出して公共の場所でのマスクの着用、30人以上の集会、不要不急の会議やイベントの停止、不要不急のサービス(バー・ディスコ)の一時的な営業停止等を市民に求めた。

8月3日、新型コロナウイルス感染症予防に関するホーチミン市指導委員会の中で、グエン・ティエン・ニャン書記は、「市保健局においては、市内の感染者が50人になった場合の隔離対策の準備を整えておくこと」と発言した。市保健局によると、ダナン市から戻ったホーチミン市居住者のうち、これまで3万6,000人以上が医療申告を行っているが、各航空会社の統計によると、14万人がダナン市からの航空便に搭乗していたという。そのため、市中感染のリスクは依然高いままと推測される。現状の経済活動は通常通り継続する一方、感染拡大に備え万全の準備を進めている。

また、同委員会内で、市人民委員会のグエン・タイン・フォン委員長は、「8月5日以降に市内の公共の場でマスクを着用していない場合は処罰する」と発言した。市はこれまでも、3月28日以降公共の場でマスクを着用しない場合、行政処罰をするとしていたが、今回の感染拡大を受け、あらためてその運用を強化したかたちだ。処罰の内容は、政令176/2013/NĐ-CP号の規定に従って、警告または10万~30万ドン(約460~1,370円)の罰金となっている。

ベトナム全土の感染者数は8月7日朝時点で750人(そのうち、死者10人、治癒392人)(ベトナム保健省)。今回のダナン市を中心とする感染拡大後のホーチミン市の感染者数は8人となっている。

(小川士文)

(ベトナム)

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