100日ぶりに市中感染、ダナンから他都市に拡大

ベトナム保健省は7月24日、中部ダナン市在住のベトナム人男性の新型コロナウイルス感染を報告し、100日ぶりの市中感染が明らかになった。感染源はまだ特定されておらず、政府は慎重に対応を進めている。ベトナムでは最近も海外から帰国したベトナム人や特例で入国した外国人専門家の感染報告はあったが、4月17日以降、99日間にわたり市中感染は発生していなかった。

ダナン市は人口約114万人を有し、観光産業が盛んな都市。ベトナムは海外からの観光客受け入れを停止している中、国内の感染収束を受け、政府は国内観光プロモーションを実施していた（2020年5月25日記事参照）。7月は気候もよく、学校が休みになる時期でもあるため、全国から多くの人がダナン市を訪問していた。その後、ダナン滞在者経由で周辺のクアンナム省やクアンガイ省だけでなく、ハノイ市やホーチミン市、ダクラック省にも感染が広がった。ダナン経由での新規感染者は7月30日午前時点で43人まで増加し、各地で警戒が強まっている。

ダナン市は26日から観光客の受け入れを停止。続けて28日から15日間、市内で首相指示16号（16／CT-TTg）に基づく外出制限措置をとると発表した。市民は食料品や医薬品の購入、救急、工場・生産施設での勤務、生活必需品・サービスを提供する事業所での勤務など必要不可欠な場合を除き、家にとどまることが要求される。生活必需品・サービスの提供は継続するが、それ以外の活動は停止となる。また、交通・運輸省は公共交通機関の停止を指示し、ダナン発着の旅客便や旅客列車は全て運休。市内および他省・市を結ぶ旅客車両も原則停止となった。

ホーチミン市は26日、7月1日以降にダナン市からホーチミン市に戻ってきた人に対し、居住地を管轄する保健センターに連絡の上、その案内に従うよう指示を出した。ハノイ市も28日、7月8日以降にダナン市における特定の地区・施設などを訪問してハノイ市に戻ってきた人に対し、居住地における自発的な隔離、医療申告、体温測定を行うとともに、該当地域の保健当局に情報提供するよう要請した。

ベトナムの感染者数は7月30日午前時点で459人（そのうち、死者0人、治癒369人）。

（庄浩充）