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欧州委、新しい汎欧州・地中海FTA原産地規則案を採択

(EU)

ブリュッセル発

2020年08月25日

欧州委員会は8月24日、EUが自由貿易協定(FTA)を締結する、欧州自由貿易連合(EFTA)諸国および地中海沿岸国を中心とした20カ国・地域(注1)との間で、それぞれ適用可能となる新しい原産地規則に関する提案を採択外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

汎欧州・地中海地域条約改正の遅れが背景に

対象国・地域は2011年4月に署名された共通の原産地規則である「汎(はん)欧州・地中海地域特恵原産地規則に関する地域条約」の一部の締約国・地域。同原産地規則は、原産性を判定する対象を2国間FTAの当事国だけでなく、規則に加盟する第三国にも広げる「対角累積(diagonal cumulation)」(注2)を採用している点が特徴だ。EUおよび対象国・地域は原則として、それぞれの2国間FTAの原産地規則を同条約に置き換えている。同条約はもともと1990年代に当時のEU加盟国と、後にEU加盟国となる中・東欧諸国との間で適用された原産地規則をベースとしており、2012年以降、FTAの現代化に合わせるべく見直し作業が進められてきた。しかし、2019年11月に提示された条約改正案に対して、複数の当事国が繊維製品や農産品など関心産品の品目別規則に難色を示し、全ての締約国間で条約改正に合意するには時間がかかるとみられていた。

今回採択された提案は条約そのものの改正ではなく、EUとそれぞれの対象国・地域とのFTAの原産地規則の改正を目的としたもの。EUと相手国・地域が合意すれば当事者間で有効となる。当該FTAを利用する企業は現行の条約の原産地規則を用いるか、今回の新しい原産地規則を用いるかを選択することができる。EU側では今後、EU理事会の承認を得る必要があるが、欧州委は、順調であれば2021年前半にも一部の国との間で適用を開始できると見込んでいる。

欧州委は、今回の新規則の特徴として、「完全累積」と呼ばれる、原産地を判定する際により柔軟に複数の国の原材料を組み込むことを可能にする制度を採用した点や、現行の条約では禁止されている輸入部品の関税の払い戻し(duty-drawback)をほとんどの場合に認めた点などを挙げている。累積制度などEUのFTA原産地規則の詳細は、ジェトロの調査レポート「EU 特恵関税に関する原産地制度PDFファイル(662KB)」を参照。

(注1)アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイス、フェロー諸島、トルコ、エジプト、イスラエル、ヨルダン、レバノン、パレスチナ、ジョージア、モルドバ、ウクライナ、アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、北マケドニア(旧マケドニア)、モンテネグロ、セルビア、コソボの20カ国・地域。

(注2)全ての当事国・地域間でそれぞれ、同一の原産地規則からなる2国間FTAが発効している場合に限る。汎欧州・地中海累積制度の詳細は税制・関税同盟総局ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。

(安田啓)

(EU)

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