2020年上半期の貿易収支は、輸入の減少により黒字

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2020年08月04日

国家統計センサス局(INDEC)は7月28日、アルゼンチンの2020年上半期の貿易統計を発表した。輸出は前年同期比11.0%減の273億8,800万ドル、輸入は23.3%減と大幅に減少し192億9,100万ドルとなった。貿易黒字額は80億9,700万ドルを記録した。

品目別にみると、輸出では、農畜産物加工品、工業製品、燃料・エネルギーは前年同期比マイナスとなったが、一次産品が回復し、特に大豆などの油糧種子は前年同期比77.6%増加した(添付資料表1参照)。数量ベースでは、一次産品と燃料・エネルギーは、前年同期比それぞれ18.2%増と18.0%増のプラス成長となった。ただし、燃料・エネルギーは、価格ベースでみると前年同期比35.7%落ち込んだ。他方、輸入では、国内市場の低迷と昨年後半から導入している外貨購入規制などが原因で、全品目で減少した。特に乗用車が54.4%減と目立った。

主要国・地域別にみると、主要貿易相手国は、ブラジル、中国、米国となっている(添付資料表2参照)。ブラジルからの輸入は前年同期比30.6%減、輸出が31.7%減で、特に工業製品輸出の落ち込みが激しい。中国からの輸入も減少(19.9%減)したが、輸出は20.6%増と回復した。中国が新型コロナウイルス感染拡大からいち早く立ち直り、経済が再開したことで、特に大豆などの一次産品輸出の増加につながった。

7月29日付現地「エル・エコノミスタ」紙は、民間調査会社アベセブの分析を取り上げ、2020年全体のGDP成長率が12%落ち込むと予測されていることから、2020年通年の輸出額は571億8,900万ドルで前年比12.2%減、輸入は394億2,100万ドルで19.8%減との見通しを立てている。貿易黒字額は178億ドルを記録し、対GDP比では約4.9%と予測している。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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