キャステック、EPA・FTA活用で価格競争力を強化

(米国、メキシコ、チェコ、EU、タイ、インド、日本)

米州課

2020年08月25日

埼玉県加須市に本社を構えるキャステックは、自動車メーカー向けのダイカスト金型部品のコアピンやインサートを完全オーダーメードで生産している。米国や欧州を中心に積極的に輸出を行っている同社に、経済連携協定(EPA)や自由貿易協定(FTA)の活用状況について営業課の白浦翔太氏に聞いた(8月6日)。

同社の主な輸出先は米国、メキシコ、チェコ、タイで、海外売上比率は4割弱となっている。輸出に当たってはEPAなどを利用しており、2019年に発効した日EU・EPAや2020年1月に発効した日米貿易協定についても、顧客からの勧奨があり、早速利用を開始した。海外市場においても競合は日系企業が多いが、米国、EUなど主要な輸出先でEPAなどを利用することで付加価値をつけることを狙う。

海外営業の特徴として、海外の取引先とも直接営業を行っている点が挙げられる。6人で全世界を担当しており、白浦氏の担当エリアも複数地域にまたがる。EPAやFTAの実務については白浦氏がほぼ1人で担っているが、不明点はジェトロや物流会社に相談しながら進めている。製造現場や調達先が協力的に対応してくれており、これまでEPA、FTA利用に当たってのトラブルはない。

現在は日本・インド包括的経済連携協定(日印CEPA)の利用に向けて準備を進めており、原産品判定依頼に当たっての企業登録中だ。準備が整い次第、CEPAの利用を開始する予定。現状はまだ利用していないため、同社の輸出品目には7.5%の関税が課されているが、CEPAは発効から10年目となる2021年に無税となり、大幅な関税コスト削減が期待される。

今後は、タイ以外の市場がまだ小さいアジアでの市場拡大を狙う。未開拓地域への市場拡大のため、今後もEPAやFTAを積極的に活用したい意向だ。

写真 同社の主力製品であるコアピン(キャステック提供)

同社の主力製品であるコアピン(キャステック提供)

(佐藤輝美)

(米国、メキシコ、チェコ、EU、タイ、インド、日本)

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