ホーチミン市が港湾使用料の徴収を提案

(ベトナム)

ホーチミン発

2020年08月17日

ホーチミン市交通運輸局は市人民委員会に対し、港湾インフラの改修を目的に、事業者から港湾使用料を徴収することを提案した。8月8日付現地紙「ベトナムニュース」の報道内容を基に、ジェトロ・ホーチミン事務所が市交通運輸局へ提案の事実を確認した。人民委員会は、2020年4月、公文書3191/VP-KTを出し、市運輸局に対して、港湾使用料の徴収で先行しているハイフォン市の事例を研究し、徴収計画案を人民委員会に上程するように指示していた。

市運輸局が6月9日に人民委員会に提出した計画策定の経過報告(6月9日付公文書6732/SGTVT-TC)によると、近年、市の港湾貨物取扱量は年5%ずつ増加しており、現在、1日平均で約2万6,000台の車両が港湾を利用しているが、その周辺の交通インフラの整備は十分とはいえず、交通渋滞の要因となっている。市は長年、多くの予算を港湾や交通インフラなどに費やしているが、予算には限界があるため、今回、港湾を利用する事業者から港湾使用料を徴収する方針を示した。また、市運輸局は6月、市内の交通渋滞解消を目的に、交通インフラ建設の優先事業を選定していたが、港湾に接続する道路の優先度を高く設定していた(2020年7月6日記事参照)。

今回の提案での具体的な使用料は明らかになっていないが、公文書6732号の中で、市運輸局は、既に同様の港湾使用料を導入しているハイフォン港の港湾使用料を示しており、例えば20フィートコンテナの場合、25万~230万ドン(約1,150~1万500円、1ドン=約0.0046円)となっている。

(小川士文)

(ベトナム)

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