6月の貿易収支、2カ月ぶりに黒字転換、経済活動再開計画により改善

(ペルー)

リマ発

2020年08月20日

ペルー中央準備銀行(BCR)は8月9日、6月の輸出額が前月比35.5%増の26億8,000万ドルで、貿易収支は4億3,400万ドルの黒字となり、2カ月ぶりに黒字に転じたと発表した。最後に黒字を記録した2020年3月以降、4月は4億8,100万ドル、5月は2億2,400万ドルと赤字が続いていた。輸出増の牽引役となったのは鉱業製品を中心とした伝統産品で、全体の46.6%を占めた。一方、輸入は前月比2.0%増で、主に消費財(同13.9%増)と資本財(同7.0%増)の伸びが顕著だった。

通商観光省(MINCETUR)によると、今回の黒字の背景には、主に5月から進めている経済活動再開計画により、多くの企業が操業を再開したことがある。前述の鉱業製品以外にも、非伝統産品の繊維・アパレルや、農産品、鉄鋼製品の輸出増が顕著だった。特に繊維・アパレル分野は最も大きな回復を見せており、最も厳しく経済活動が制限されていた4月比で4.5倍の5,900万ドルの輸出を記録した。この分野の輸出は増加傾向にあるが、MINCETURによると、前年より綿とアルパカ製品の需要は減っているという。農産業分野では、2019年に過去最高の輸出額を記録した果物が2020年も好調で、6月の輸出は4月比46.1%増の2億6,900万ドルだった。特にブドウの輸出が堅調で、主な仕向け先は、米国、EU、香港。ペルーは現在、中国とチリに次ぐ世界第3位のブドウ輸出国となっている(世界シェア10%)。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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