新型コロナ感染増加、ポーランド政府は指定地域で制限強化

(ポーランド、リトアニア)

ワルシャワ発

2020年08月28日

ポーランド政府は、新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた、各種行動制限の緩和を進めてきた。一方、新型コロナウイルス感染者数は増加を続け、8月21日には新たな感染者数は903人と過去最高になった。こうした状況を受け、政府は感染者の多い地域を指定し、制限を強化するなどの対応を行っている。

ポーランド政府は、3月13日に感染脅威事態を宣言し、3月14日から大規模商業施設やレストランなどの営業を制限、3月15日からは全ての国際航空便および国際鉄道便を停止するなど、矢継ぎ早に新型コロナウイルス感染の拡大防止策を実行した(2020年3月16日記事参照)。

一方、日常生活および経済活動における国内制限の緩和については、4つの段階に分けて実施し、5月30日から商業店舗やレストランなどの入店人数制限の解除、ホテルの営業の完全再開など、各種行動制限の緩和を進めてきた(2020年6月1日記事参照)。緩和に伴い、新たな感染者数は増え続け、現在も高止まりの状況が続いている。

保健省は8月20日、8日から開始された、新型コロナウイルス感染拡大の度合いに応じて国内各地域で導入される拡大防止のための制限強化について、最新の感染状況を踏まえて指定地域の変更を発表した。それにより、赤ゾーン対象地域が7地域、黄ゾーン12地域となり、これまでの合計18地域から、19地域に増えた。制限の強化内容については、赤ゾーンでは「見本市、会議などの開催禁止」「遊園地の営業禁止」など、黄ゾーンでは「見本市、会議などのイベントは、4平方メートル当たり1人に制限」などとなっている。なお、今後、指定地域とされる可能性がある地域(ピンクゾーン)は7地域ある。

なお、ポーランドと国境を接するリトアニアでは、新型コロナウイルスの過去14日間の人口10万人当たりの新規感染者数が16人を超える国から入国する場合、14日間の自主隔離を求めるなどの制限を行っている。ポーランドは8月26日時点で16人を超えているため、リトアニアへの入国に際し、制限の対象となっている。

(清水幹彦)

(ポーランド、リトアニア)

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