ゴヤル商工相、日本企業へのインド投資促進策を表明、経産省とジェトロなどがフォーラム開催

(インド)

ニューデリー発

2020年08月14日

インドのピユシュ・ゴヤル商工相は8月6日に開催された「インド投資フォーラム」で、インド進出日系企業の抱える課題の解決に取り組む省庁横断的ワーキンググループを設置することや、進出日系企業およびインドへの進出を考える日本企業の意見をヒアリングすることを表明した。

このフォーラムはインド商工省と日本の経済産業省、インベスト・インディア(インド商工省傘下の投資誘致機関)、ジェトロ間の調整で開かれ、ゴヤル商工相のほか、梶山弘志経済産業相(ビデオ出演)、インド商工省のグルプラサード・モハパトラ次官、田中繁広経済産業審議官、インベスト・インディアのディーパク・バグラ最高経営責任者(CEO)、ジェトロの佐々木伸彦理事長らが登壇し、日系企業による対インド投資の拡大に向けて両国のビジョンを共有した。

佐々木理事長は「インドをグローバル・サプライチェーンの一角をなす輸出拠点へと成長させていく上での最大の障害は、物流インフラの整備不足だ」と述べ、グローバルスタンダードを満たす製品の製造が実現しても、それを運ぶ際に時間がかかる、時間が読めない、運搬中に破損するという状況では、企業も輸出をためらわざるを得ないと指摘した。また、進出日系企業は複雑な税務処理や労働者保護的な労働法、役所の対応や手続きの曖昧さなどに長年悩まされてきたとし、インドの投資環境上の課題を語った。

日本側の登壇者は「こうした一つ一つの課題の克服なくして、日本からの飛躍的な進出増加はない。今こそ、インド政府には課題の解決に向けてダイナミックに取り組んでもらいたい」といったメッセージを発した。

インド側の登壇者は、投資の許認可をサポートするワンストップ・デジタルプラットフォームを2021年4月までに立ち上げる計画について言及したほか、各種の対話を通じて日本企業の投資環境上の課題に対処するとコメントした。

ジェトロは今後、インベスト・インディアと連携し、インドへの新規投資を考える日本企業とインド商工省幹部とのオンライン個別面談を8月中にもアレンジする予定だ。また、インド日本商工会と協力し、毎年会員企業からビジネス環境改善で解決すべき課題を毎年募っており、これに基づいた建議書を2020年は9月にインド商工省に提出することを計画している。

写真 インド投資フォーラムの様子(8月6日、ジェトロ撮影)

インド投資フォーラムの様子(8月6日、ジェトロ撮影)

(磯崎静香)

(インド)

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