タイ中銀、政策金利を据え置き

(タイ)

バンコク発

2020年08月07日

タイ中央銀行(BOT)は8月5日、金融政策委員会を開催し、政策金利を現状の0.50%に据え置くと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(賛成:7、反対:0)。

発表によると、BOTは、世界経済の緩やかな改善や、タイ国内における新型コロナウイルス感染対策に対する規制の緩和などから、タイ経済は回復基調にあるとした。他方、経済全体が新型コロナウイルス以前の状態に戻るまでは、少なくとも2年を要するとの見方も示した。

BOTは主要セクターについて、輸出額は低水準ながらも回復基調だとした。また、観光業については、外国人旅行者数は、当初の想定よりも回復が遅れている一方、国内観光客数は、政府が実施する国内観光刺激策の影響もあり増加しているとの見方を示した。他方、雇用環境の悪化や世帯収入減少から個人消費が収縮しており、目標を定めた財政措置や金融緩和策の実施が今後も必要だとした。

タイ政府は7月29日、BOTの新総裁に、金融政策委員会の委員であるセタプット・スティワートナルプット氏を任命することを閣議決定した。セタプット氏は、世界銀行上級エコノミスト、タイの資産運用会社SCBアセット・マネジメントの社長などを歴任し、プラユット首相の顧問団メンバーを務める。ウィラタイ・サンティプラホップ現総裁の任期が9月末であるため後任として就任する見通し。今後の金融政策が注目される。

(岡本泰)

(タイ)

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