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中国の上半期の対米輸入は4.4%減、米中合意の目標額達成は遠く

(中国、米国)

中国北アジア課

2020年08月26日

中国の2020年上半期の米国からの輸入額は、ジェトロがグローバル・トレード・アトラスを基にまとめたところ、前年同期比4.4%減の564億1,770万ドルとなった(添付資料図参照)。減少幅は2019年下半期(10.9%減)から6.5ポイント縮小した。中国の輸入額に占める米国のシェアは、前期(5.9%)から0.2ポイント拡大の6.1%、順位は2019年から1つ上げて4位となった。

米中は第1段階となる経済・貿易協定に1月に署名し、2月に発効した。協定では、中国は2020年、2021年の2年間で、2017年の輸入実績を基準とし、米国から工業製品や農産品、エネルギー、サービスを2,000億ドル以上追加購入・輸入しなくてはならないと規定されている。中国は2019年下半期から2020年にかけて、追加関税率の暫定停止や適用除外リストを相次いで発表したが、新型コロナウイルスの影響で貿易全体が落ち込んだこともあり、半期ベースでは対米輸入額の減少が続く。米国のピーターソン国際経済研究所によると、第1段階合意に基づく2020年上半期の対米輸入目標額(サービスを除く)に対して、達成率は47%にとどまった。

輸入品目の上位15品目(HSコード6桁ベース)をみると、追加関税措置の対象となっていない集積回路や半導体デバイス製造機器関連などの品目はおおむね増加した(添付資料表参照)。

追加関税措置の対象となっていた6品目(大豆、乗用自動車、美容用調製品、実綿、医薬品、化学品)は、化学品を除いた5品目が適用除外もしくは追加関税率引き下げの対象となった。この5品目は前年同期比ではいずれもプラスの伸びとなったが、2019年上半期の減少が大きかった点を考慮する必要がある。このため、米中合意の基準年である2017年上半期と比較してみると、その水準に達していない品目も多い。2017年上半期比でみると、大豆は55.0%減、乗用車は49.3%減、実綿は22.7%減となっている。なお、追加関税措置の対象外の品目も合わせた上位15品目全体では、2017年上半期比で7品目が減少した。

米中合意の農産品分野の主要品目である大豆については、2020年2月から適用除外措置の対象とされたにもかかわらず、3月以降は前月比減が続く。シェア71.8%で輸入相手先第1位のブラジルは4月以降さらに大きく伸び、ブラジルからの輸入により米国からの輸入減を補うかたちが続いている。

自動車については、2019年1月から追加関税措置を一時停止しているが、2019年に輸入額が急速に回復した電気自動車に対し、ガソリン自動車(HS870323に属するもの)は低迷が続いていた。加えて、2020年は新型コロナウイルスの影響もあり、1~3月にかけて米国、日本など上位国からの電気およびガソリン自動車輸入全般が軒並み落ち込んだ。4月以降は徐々に回復しているが、勢いは鈍い。

増加した品目の中では、豚肉の輸入が前年同期比24.6倍と急増した。2019年からASF(アフリカ豚熱)ウイルスの影響を受けた生産量の落ち込みが続いていることに加え、2020年に入ってからは新型コロナウイルス対策のため食肉加工業者が生産を停止していたことなどにより、スペインやドイツなど主要相手国からの輸入も軒並み3~4倍増となったが、中でも米国の伸びは突出している。ただし、新型コロナウイルスの影響で米国内での豚肉生産量が落ち込んでいることなどから、3月以降の対米輸入は前月比減が続いており、下半期も輸入増が続くかは不透明な状況だ。

税関総署の李報道官は上半期の貿易について、「対米輸入の減少幅は輸入総額の減少幅よりも小さい。米国と共同で米中の第1段階合意を実行する」と述べたが、目標額達成のハードルは高い。

(江田真由美)

(中国、米国)

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