インフラ省、ビジネス環境整備に向けて100以上の規則見直しに着手

(ブラジル)

サンパウロ発

2020年08月18日

インフラ省は7月22日付同省令100号を公布し、同省がこれまでに公布した100以上の規則を、ビジネス環境整備の観点で見直すことを決定した。

2019年11月29日に公布された28日付連邦政令10139号では、ビジネスの弊害となる規制の削減や手続きの簡素化を目的に、各省の規則を見直す作業を奨励していた。今回のインフラ省による決定は、それを実行するための措置として位置づけられている。

政府は法的枠組みの複雑さが企業の生産性を妨げ、ブラジルの国際競争力も低下させる要因と考えている。世界経済フォーラムが2018年に公開したレポート「ブラジルの競争力と包括的な成長PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」でも、ブラジルのインフラ分野の規制を簡易化・効率化する必要性を指摘している。

インフラ省が今回の発表で修正および統合の対象とした規則の内容には、鉄道輸送、道路輸送、水上輸送、航空輸送、空港の運営移管、投資計画などが含まれている。各分野の担当局は統合可能な規則を洗い出し、規則間の矛盾点解消への対応が義務付けられる。規定の内容を変更することを意図したものではなく、規則の曖昧さや規則の数を減らすことで、分かりやすいルール作りが期待される。

作業は5段階で行われる予定で、第1段階は2020年の11月30日まで、最終段階は2021年11月30日までに終了することを予定している。

政府は4月、新型コロナウイルス感染拡大で影響を受けた経済の再生を図るため「プロ・ブラジル計画」を発表している(2020年5月7日記事参照)。経済再生への道筋を立てる中、インフラ投資の拡大や規制の適正化を通じて同分野のビジネス環境を整備し、雇用創出と景気回復を目指すことを重要なテーマの1つに位置付けている。

(エルナニ・オダ、古木勇生)

(ブラジル)

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