PCR検査料を減額、陽性者数と陽性率の変化を注視する必要

(バングラデシュ)

ダッカ発

2020年08月25日

バングラデシュ保健省は8月20日、7月に有料化したPCR検査料金を減額すると発表した(添付資料:ジェトロ仮英訳資料参照)。現地報道によると、この措置は、有料化以降に検査数が減少したため、新型コロナウイルス感染者数をより正確に把握するため講じられたものとみられる(「ザ・デーリー・スター」紙8月20日)。

PCR検査数は、6月26日に1万8,498件を記録して最高になったが、不必要な検査を防止することを目的として7月から国立病院で実施の場合は200タカ(約260円、1タカ=約1.3円)、自宅で実施する場合は500タカの検査費用を課していた(2020年7月13日記事参照)。今回、これらのPCR検査料が減額となり、国立病院と検体採取所で実施する場合は100タカ、自宅で実施する場合は300タカとなった。

検査有料化後、7月1日から8月23日までの1日当たりの平均検査数は1万2,487件と、有料化前の6月単月の同1万5,351件に比べ、約2割減少した。有料化後の陽性率は平均22.3%と、6月単月(21.3%)と比べやや上昇している。検査料の減額により検査数は再び上昇するとみられる。検査数の拡大は陽性者数のさらなる把握につながる可能性があるが、陽性率についても注視する必要がある。

8月24日時点の感染者総数は29万4,598人、死者数は3,941人、回復者は17万9,091人(感染者総数に占める割合は60.8%)となっている(バングラデシュ政府外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(安藤裕二)

(バングラデシュ)

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