スリランカ、外貨流出防止目的で各種輸入制限措置を導入

(スリランカ)

コロンボ発

2020年08月31日

スリランカ政府は8月17日付官報PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で、これまで輸入ライセンスを所持することで輸入が可能とされた品目について、8月18日を起点に「追って通知があるまで輸入停止」と新たに定めた。対象品目には、穀実用モロコシ、塩、石綿、炭化水素ハロゲン誘導体、殺虫剤、アルミ粉、モニター・プロジェクター類などが含まれている。また、3月から実施している一連の自動車関連の輸入規制(2020年4月30日記事参照)に関しては、輸入規制を継続する方向が示された。

スリランカ政府は2020年3月に、新型コロナウイルスの影響により通貨スリランカ・ルピーの減価圧力の緩和と外貨流出防止を目的として、自動車と非必需品の輸入に関する信用状開設の停止を発表。同措置に伴い、スリランカでは、信用状による取引のみが認められている自動車の輸入が完全停止していた。以降、各種輸入規制を更新する官報を発行し、対象品目の拡大など規制の強化や一部緩和などの調整を行ってきた(2020年6月30日記事参照)。

一連の輸入規制の中で、日系企業への影響が大きい自動車などに関連する措置については以下のとおり。

  • 3月19日付官報:乗用車の輸入に関する信用状の開設を停止
  • 4月16日付官報:発電機の輸入への90日ユーザンス条件付き信用状の義務化
  • 5月22日付官報:乗用車に加えて商用車、二輪バイク、補修部品の輸入規制対象拡大
  • 6月30日付官報:補修部品は180日ユーザンス条件付き信用状で輸入可と再調整
  • 7月16日付官報:四輪、二輪、補修部品、発動機の輸入規制措置は継続

今回8月の発表においても、これらの品目に対する輸入規制を継続する方向が示されており、日系企業においては、輸入規制措置の先行きが見えず、早期の規制解除が望まれている。

(ラクナー・ワーサラゲー、糸長真知)

(スリランカ)

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