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「新型コロナ禍」による殺人件数増加が沈静化

(ブラジル)

サンパウロ発

2020年08月26日

ブラジルの現地紙「G1」は8月21日、ブラジル公安局と共同で行った治安に関するモニタリング調査結果を発表した。この調査は7月24日に公表されたもの(「アジェンシア・ブラジル」紙7月24日)を更新した。今般の結果によると、2020年上半期のブラジル全土における殺人件数は前年同期比6.2%増(1,323件増)の2万2,680件となった。月別の殺人件数は、各州が外出制限措置を開始した3月の4,148件を頂点に以降は低下基調となり、各州で経済活動再開が本格化した6月には3,299件にまで低下した。6月の100人当たり殺人件数は1.57件となる。この水準はボルソナーロ政権が過去最低水準の殺人件数抑制に成功した2019年7月の1.50件と、翌8月の1.51件以来の低水準となる。

2020年上半期の月別殺人件数を前年同月比で比較すると、1月の3.9%減から2月22.3%増、3月11.2%増、4月7.3%増と3カ月連続の増加で推移したが、5月は0.1%減、6月は1.9%減となった。2月の殺人件数増加の要因は、労使の賃金交渉決裂に伴う東北部セアラ州軍警察の大規模ストライキにより治安維持が低下したためだ。

現地紙「G1」は、3月と4月の殺人件数増加について、新型コロナウイルス感染拡大による外出制限措置で外出した人数が減少したにもかかわらず「殺人件数が増加した」と指摘。「外出制限措置下でも殺人件数が増加」との見出しで大々的に報じている。

「新型コロナ禍」の犯罪件数をみると、強盗や盗難、性的暴行の件数は外出制限措置後に大幅に低下、殺人件数だけが増えている。サンパウロ州軍警察のバティスタ・カミロ大佐は、殺人件数と「新型コロナ禍」との因果関係について、アルコールや薬物に関連した殺人ではなく、知人間の殺人が増加していることから、「外出自粛などによる環境の変化に伴うストレスが犯罪を助長している」との見方を示していた(2020年6月9日記事参照)。

州別の殺人件数をみると、2020年上半期は前年同期と同様、ブラジル東北部や北部で多い。日系企業が集積するサンパウロ州は、殺人件数が前年同期比で4.7%増加したものの、国内で最も殺人件数が少ない州となっている。同州の6月の100人当たり殺人件数は0.53件と、全国平均の3分の1強にとどまっている。

(大久保敦)

(ブラジル)

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