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EU・英国、将来関係協議第7ラウンドを終え「合意の可能性低く」

(EU、英国)

ブリュッセル発

2020年08月24日

EUと英国の将来関係協議の第7ラウンド(注)が8月18~21日にかけブリュッセルで開催された。欧州委員会のEU英国将来関係タスクフォースを率いるミシェル・バルニエ代表は協議を終えて8月21日に声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表。「率直に言って、落胆し、事態を憂慮している」「現時点では英・EU間で合意が得られる可能性は低い(seems unlikely)」と悲観的な表現に終始した。

「公平な競争条件」で譲らず

バルニエ氏は「合意の可能性が低い」と評する理由として、2021年1月1日から将来関係に関する協定が発効するには、遅くとも10月末までに合意に達するだけでなく、協定の条文や付属書の文言を確定させ、かつその内容について法的精査を行った上で、EUの各言語に翻訳するといった複雑な作業を経る必要があることを挙げた。

対立論点としては、「公平な競争条件」の確保を「譲歩の余地のない前提条件」として真っ先に挙げた。2019年10月の政治宣言第77項で、首脳間で「国家補助、競争、社会的および雇用面の基準、環境・気候変動および関連する税務上の問題における共通の高い水準の維持」に合意していることを根拠に、あくまで幅広い分野でのルール化にこだわる姿勢を示した。その他、さらなる進展が求められる分野として、漁業、紛争解決などのガバナンス、市民の権利や個人情報を保護する上での法の執行、モビリティー、社会保障における調整などを挙げた。

他方、今回の協議では、エネルギー協力、EUの各種プログラムへの英国の参加、マネーロンダリング対策などの分野でテクニカルな要素について前進がみられた点にも触れた。

今回、BBCなど各種報道によると、英国側から幾つかの分野で協定テキストの提示があった。しかし、バルニエ氏は、テキストは双方の共同作業により統合(consolidation)できるもので、かつ全ての分野で並行して進めるものであり、まだその段階にはないと述べた。

今後の交渉ラウンドは、9月7日の週にロンドンで、9月28日の週にブリュッセルで予定されているほか、各ラウンドの間にも必要に応じて担当者間での会合を実施する。

(注)双方は7月31日に発表した今後のスケジュールPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で、6月29日~7月2日に実施した分野限定の集中協議(2020年7月7日記事参照)をラウンドの1つとしてカウントすることを明確化した。これに伴い、7月までに6回のラウンドが終了し、今回が第7回となる。

(安田啓)

(EU、英国)

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