ISO、医療機器製造業者向けの規格をウェブで紹介

(スイス、世界)

ジュネーブ発

2020年07月20日

国際標準化機関(ISO、在ジュネーブ)は7月14日、ウェブサイトで医療機器の製造業者がリスクマネジメントを行うためのISO規格およびその関連文書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを紹介した。

ISOは定期的にテーマを変えて規格の紹介を行っている。毎年7月はスポーツやレジャーに関連する話題が多いが、今年は新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに関心が高まる健康・医療関連の話題が続く。今回はその一例だ。

ウェブサイトで紹介されたのは、医療機器の製造業者向けに出版されたリスクマネジメントの規格と、それを補足する技術報告書(Technical Report、TR)の2件。

ISO14971(医療機器-リスクマネジメントの医療機器への適用)は、医療機器としてのソフトウエアや体外診断用医療機器なども含む幅広い医療機器に関するリスクマネジメントについての用語、原則、およびプロセスを規定する。医療機器のライフサイクル全体にわたる製造業者のリスクの特定、低減、管理する方法を示す。

ISO/TR24971(医療機器-ISO14971適用の指針)は、製造業者がISO14971を効果的に利用し、また順守するためのガイダンスで、ISO14971に基づく医療機器のリスクマネジメントシステムの開発、実装、および保守に関する詳細な指針を提供する。

現在、医療機器製造業者は高い需要に答えるため製品の増産を急いでいる。その一方で、人命を左右する医療機器には高い安全性とリスク管理が要求される。上記のISO規格とTRは、そうした要求において重要なものだ。

原文および邦訳の入手については、日本規格協会のISO14971外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますおよびISO/TR24971外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますサイトを参照。

このほかISOが7月に取り上げた規格には、ISO21426(医療スパ)や、作成中のISO22525(医療ツーリズム)など、ヘルスツーリズム(注)関連のものが含まれた。ヘルスツーリズムは、新型コロナウイルスによる海外渡航の制限で現在大きな影響を受けている産業の1つ。既存または新たな国際規格がヘルスツーリズム産業の回復に貢献できるか、今後の動向が注目される。

(注)ヘルスツーリズムとは、健康回復・増進を目的とした観光。

(小谷由紀子)

(スイス、世界)

ビジネス短信 fc3b777a901bc8fa