2019年の貿易は黒字幅が拡大、2020年上半期の貿易は新型コロナの影響で縮小

(コートジボワール)

アビジャン発

2020年07月22日

コートジボワール税関総局の通関データによると、2019年の貿易額は、輸出が前年比13.8%増の7兆3,481億CFAフラン(約1兆3,961億円、1CFAフラン=約0.19円)、輸入が0.6%増の6兆1,434億CFAフランとなった。同国の貿易は黒字で推移しており、2019年は輸出の大幅な増加で、黒字幅は約2.2倍の1兆2,048億CFAフランに拡大した。

輸出は、カカオ豆が構成比28.5%で最大だった。生産量は天候良好により220万トンに達し、国際市況が強含みに推移したことから、数量、金額は前年比で6.3%、16.3%増加した。カカオ調製品は、輸出価格の上昇と生産増加で、数量(5.4%)、金額(10.2%)とも増加した。原油は、生産増加により数量は46.8%増となり、価格の目減りを補い金額も34.7%増加した。石油製品は、生産増加で数量(19.6%)、金額(11.2%)とも増加した。金は、生産増加と国際市況の上昇により数量(33.7%)、金額(42.1%)とも増加した。

主要輸出相手国は、オランダ、米国、フランス、マレーシア、ベトナム、マリ、スイス、ドイツ、ブルキナファソ、ベルギーなどが上位を占め、日本は74位だった。

最大の輸入品目である原油は、国内での生産増加により数量では前年比で4.5%減少したが、金額では1.2%増加し、構成比が14.2%となった。石油製品は、国内精油所の増産を受け、数量(6.0%)、金額(8.6%)とも減少した。機械機器と鉄鋼製品は、需要の拡大により数量でそれぞれ10.4%、6.2%増加し、価格の低下を補い金額でも4.7%、2.7%増加した。コメは、国内の生産が好調だったことに加えて輸入価格の下落で、数量(10.3%)、金額(8.0%)とも減少した。魚介類は、数量では横ばいだったが、価格の上昇で金額は4.4%増加した。

主要輸入相手国は、中国、ナイジェリア、フランス、米国、インド、トルコ、オランダ、ベトナム、ドイツ、イタリアなどの順位で、日本は14位だった。

2020年上半期は新型コロナの影響で輸出入ともに減少

2020年上半期(1~6月)の貿易額は、輸出が前年同期比6.5%減の3兆6,690億CFAフラン、輸入が4.4%減の2兆622億CFAフランとなった。輸出は、カカオ豆とカカオ調製品、金が市況の回復により増加したが、原油と石油製品が生産減少と価格低下により大幅に減少した。輸入は、原油が大幅に増加したが、石油製品が大幅な減少となった。機械・輸送・電気機器、医療用品、プラスチック製品、冷凍魚が増加した一方、鉄鋼製品とコメが大幅に減少した。

コートジボワールは、EUとの暫定経済連携協定の下、2019年からEU製品に対する輸入関税の段階的な撤廃を実施しており、EUとの貿易は今後、さらなる促進が予想される。

(渡辺久美子)

(コートジボワール)

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