財務省、通過・積み替え貨物の滞留期間の法定上限を一時的に免除

(タイ)

バンコク発

2020年07月27日

タイ財務省は7月20日、通過・積み替え貨物にかかる法令順守義務の一時的免除を定めた財務省通達を発出し、翌21日に官報に掲載外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。この通達は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う非常事態令が出た3月26日までさかのぼって適用され、9月30日までの時限措置となる。

法令順守義務が一時的に免除されるのは、2017年関税法PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)の第102条2項と第103条の2つの条文。2017年に関税法が抜本的に改正された際、それまで通過・積み替え貨物の国内滞留期間は90日以内まで認めていたが、30日以内と大幅に短縮し(第102条2項)、正当な手続きなく30日を超えて滞留した貨物は国家財産化される(第103条)ことを定めた(2018年2月9日記事参照)。新型コロナウイルス感染拡大で空港閉鎖や国境検疫措置の厳格化など、物流に大きな混乱が生じる中、当該規定がビジネス実態に合わない事態が生じていた。

一時的に適用免除となる条文の概要はそれぞれ以下のとおり。

  • (第102条2項)通過・積み替え貨物が手続きを経て持ち込まれ、かつタイに持ち込まれてから30日以内に持ち出される場合には、その貨物は関税の支払い対象とならない。
  • (第103条)第102条2項で定めた期間内に貨物の持ち出しが行われず、もしくは当該期間内に輸入に切り替えるよう税関から指示があったにもかかわらず、関税の支払いや手続きを行わなかった場合は、当該貨物は国家の財産となる。

なお、当該措置の適用を希望する事業者は、関税局に対して適用免除を希望する期間を記載したリクエストレターと、新型コロナウイルスの影響を受けた根拠となる資料を個別に提出する必要がある。

(蒲田亮平)

(タイ)

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