経済省とINEGI、オープンデータサイト「Data Mexico」公開、社会・経済データ統合し視覚化

(メキシコ)

メキシコ発

2020年07月28日

メキシコ経済省と国立統計地理情報院(INEGI)は7月21日、共同開発したオープンデータサイト「Data Mexico外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(データ・メキシコ)を公開した。各種機関が管理するメキシコ国内の社会・経済に関するデータを統合して視覚化し、誰でも検索しやすいかたちにまとめたもので、政策決定や投資計画策定などに向けたデータの活用を促す目的で作成した。

国・州・行政区分の単位で人口や失業率、平均給与額などの基礎的データを調べられるほか、主要な輸出入品目やその金額、対内直接投資額や投資国の内訳、生活・教育水準に関するデータを見ることができる。例えば、メキシコ市のイスタパラパ(Iztapalapa)区では正社員の平均月収が5,640ペソ(約2万6,500円、1ペソ=約4.7円)だが、ヌエボレオン州モンテレイ市では9,050ペソに達するなど、地域ごとのデータ比較を容易に行える。地理的区分のほかに、産業や産品、大学・各種機関など1万3,000個以上のテーマごとにさまざまなデータを閲覧することもできる。

2016年に米国で国勢調査や各種機関のデータを統合した「Data USA」が公開されると、2018年にはチリと韓国で同様のサイトがオープンし、「Data Mexico」はこれらに続くかたちとなった。サイトの公開に先立ち、前日の20日に開催されたインターネット上の記者会見で、グラシエラ・マルケス経済相は「各機関が協力して開発した努力のたまものであり、メキシコをデジタルエコノミーの最先端に導くものだ」とコメントした(「エル・エコノミスタ」紙7月21日)。

新型コロナウイルス感染状況もビジュアル化

「Data Mexico」では、新型コロナウイルスの感染状況も市町村の単位で調べることができる。直近7日間の新規感染者数や死者数などのほか、1日当たりの新規感染者数をグラフ化したものや、感染者の年齢・性別、持病の有無などに関する分布が掲載されており、地域ごとの感染傾向を把握できる。

(松本杏奈)

(メキシコ)

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