教育・研究省、蓄電池研究の4クラスターに総額1億ユーロ助成

(ドイツ)

ミュンヘン発

2020年07月21日

教育・研究省は7月8日、蓄電池の研究を行う4つの蓄電池コンピテンスクラスターに総額1億ユーロを助成すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。クラスターに参加する研究機関、大学などが専門知識・ノウハウを共有し、次世代自動車、再生可能エネルギーの普及のカギとなる蓄電池の研究を国内でさらに推し進める。

4つの蓄電池コンピテンスクラスターはそれぞれ、セル生産、部材・蓄電池のリサイクル、分析などの特定のテーマを持つ(添付資料表参照)。フラウンホーファー研究所、ヘルムホルツ研究所などの研究機関、大学など40以上が参加する。地域ごとのクラスターではなく、分野ごとに専門知識を持つ研究機関などが参加するもので、2020年10月からの活動開始を目指す。

今回のクラスター支援は、連邦教育・研究省が2018年に打ち出したコンセプト「研究工場・蓄電池(Forschungsfabrik Batterie)」の下で行われるプロジェクトの1つとなる。本コンセプトは、連邦教育・研究省が2007年から支援してきた蓄電池関連のプロジェクトをまとめたもの。(1)蓄電池素材、(2)セル生産プロセス、(3)大量生産・ビジネス化、が大きなテーマとなっている。

教育・研究省によると、コンセプト「研究工場・蓄電池」や、これに基づく、今回の4つの蓄電池コンピテンスクラスターの設置はEUのグリーンディール政策や連邦経済・エネルギー省の蓄電池関連支援策ともシナジー効果を発揮するとしている。

アーニヤ・カーリクチェック教育・研究相は今回のクラスターへの助成について、「蓄電技術は将来的に重要なカギとなる技術」とした上で、「ドイツは過去10年間の支援で蓄電池研究の先進国として認識されており、今回の支援でさらにそれを推し進める」とコメントした。

教育・研究省の発表に合わせてプレス発表した、フーベルト・アイバンガー・バイエルン州経済・開発・エネルギー相は、在バイエルン州の研究機関・大学が4つの蓄電池コンピテンスクラスター全てに参加することを強調した上で、同州の研究機関・大学に総額1,700万ユーロが助成されることを明らかにしている。

(クラウディア・フェンデル、高塚一)

(ドイツ)

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