新型コロナ新規感染者数は横ばい傾向、国際線は10月より前に再開見込み

(ナイジェリア)

ラゴス発

2020年07月28日

ナイジェリア全体と商都ラゴスの新型コロナウイルスの新規感染者数が7月に入って横ばい傾向にある。ナイジェリア疾病管理センター(NCDC)は6月4日から、国全体と州別の感染者数と国全体の検査実施数を毎日更新し、州別の検査実施数を週1回更新している(添付資料表参照)。

ラゴス州では6月11~16日の6日間、新規感染者数は1日平均で199人、検査実施数は881件だった(添付資料図1参照)。同州で最初に感染者が確認されてから6月16日までの累計感染者数を同日までの累計検査実施数で割る(いわゆる陽性率)と、22.7%となる(添付資料図2参照)。その5週間後の7月15~21日の7日間では、同州の検査実施数は1日平均1,703件に増加した一方、新規感染者数は同131人にとどまった。全期間累計の同州の陽性率は12.1%に下がった。

7月25日時点の感染者数累計は、国全体の3万9,977人に対し、同州が1万4,300人と国全体の35.8%を占めて州別では最多。同州で減少すると国全体も減少する。国全体でも同様に6月下旬から横ばい傾向にあり、大手の新聞では7月に入ってから感染者数を報じる記事が少なくなった。しかし、公共の場所では消毒やマスク着用、ソーシャルディスタンスが義務付けられているが、徹底されておらず、検査数が増加しているのに新規感染者数が横ばいにとどまっている要因は不明だ。感染状況には引き続き注意を払う必要がある。

一方、国内航空便は、当初の6月21日再開予定が延期されていたが、7月8日にはラゴスと首都アブジャ間で再開された。現地報道によると、搭乗率はまだ40%程度だが、カノ、ポートハーコート空港なども7月11日から順次再開されている。

国際線は当初、8月19日再開を予定していたが、ナイジェリア民間航空局(NCAA)は7月21日、再開を10月まで延期することを航空関係者への通達(NOTAM)で明らかにした。しかし同日、ハディ・スィリカ航空相が自身のツイッターでこれを否定、10月を待たずに再開すると述べた。人の移動の制限緩和も進み、経済活動の再開が本格化する中で、感染拡大を抑制できるかが大きな課題だ。

学校は、入試の準備をする最終学年を除いて7月27日まで閉鎖し(2020年7月2日記事参照)、西アフリカ高等学校認定試験(WASSCE)を8月4日~9月5日に実施予定で、エメカ・ンワジウバ教育担当相も7月6日にそれを追認したが、8日にはアダム・アダム教育相が一転、安全が確認されるまで学校を再開せず、連邦政府設立の学校は試験にも参加しないと発言した。これに対し、エボニー州など南部の6州では州知事が学校を再開させようとするなど対応が分かれている。

(西澤成世)

(ナイジェリア)

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