小麦粉価格が上昇、生産量と輸出量は大幅に減少

(カザフスタン)

タシケント発

2020年07月20日

カザフスタンで小麦粉の価格が上昇している。6月の平均価格(1キログラム当たり)は特等小麦粉が215テンゲ(約56円、1テンゲ=約0.26円)で前年同月比22.5%上昇、1等小麦粉が171テンゲで18.6%上昇だった。

小麦粉の価格上昇の原因は、主として原料の小麦価格の高騰という(北カザフスタン州農産物製造・マーケティング課主任専門員のマキシム・パンキン氏、「ペトロパブロフスクTV」2020年6月24日)。2019年は夏季の高温と降水量不足、さらには収穫時期の長期雨天のために小麦の収穫量が減少し、価格上昇につながった(カザフスタン首相公式ウェブサイト2019年10月14日)。

小麦粉の生産量については、カザフスタンの調査会社エネジープロムKZによると、2020年1~5月の生産量は128万トンで、2019年同時期に比べ11.1%減少した(添付資料表1参照)。小麦粉の主要生産地別の生産量は、コスタナイ州で40万2,500トン(全国シェア31.5%、前年同期比0.6%減)、シムケント市で14万4,400トン(シェア11.3%、33.5%減)、アクモラ州で13万7,100トン(シェア10.7%、11.4%減)だった(添付資料表2参照)。国内販売量(2020年4月)は、新型コロナウイルスによる非常事態下の外出禁止や経済活動の制限のため、前年同月比で5.1%減少した(添付資料表3参照)。

非常事態体制の実施は、小麦粉の輸出実績にも影響した。カザフスタン政府は重要物資の輸出管理の一環として、小麦、小麦製品の輸出を3月25日から6月1日まで禁止した。その結果、主要相手国への輸出量(2020年1~4月)は、アフガニスタンが23万9,700トン(小麦粉輸出全体に占めるシェア58.8%、前年同期比25.8%減)、ウズベキスタンが8万700トン(シェア19.8%、41%減)と大きく減少した(添付資料表4参照)。

国連食糧農業機関(FAO)によると、2019年のカザフスタンの小麦生産量は1,150万トン(推計)で、ロシアCIS地域ではロシア、ウクライナに次いで3位。

(増島繁延)

(カザフスタン)

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