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米トランプ大統領、香港関連の制裁法案に署名、香港の優遇措置停止も発表

(米国、中国、香港)

ニューヨーク発

2020年07月16日

米国のドナルド・トランプ大統領は7月14日、上下両院が全会一致で可決した香港自治法案(H.R.7440外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に署名するとともに、香港への優遇措置を停止する大統領令外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。

香港自治法は、香港の自治侵害に関与した人物と、それら人物と取引のある金融機関に制裁を加えるもの。特定された人物は、米国の司法権の及ぶ資産が凍結されるとともに、米国への入国ビザの取り消しと国外退去の対象となる。金融機関の場合は、(1)米金融機関からの融資の停止、(2)米国債のプライマリーディーラーとしての指定の禁止、(3)米政府基金の受け手になることの禁止、(4)外国為替市場での取引の禁止、(5)銀行取引の禁止、(6)資産の凍結、(7)制裁対象への米国製品の輸出などの制限、(8)米国民による制裁対象の株式・社債などへの投資・購入の禁止、(9)職員などの国外退去、(10)幹部への上記(1)~(8)の適用、が制裁措置となる。

制裁発動にはまず、米国務長官が法律の成立から90日以内に議会に対して制裁対象となる人物を報告し、米財務長官がその報告から30~60日以内に制裁対象となる金融機関を議会に報告する。大統領はいずれも報告が行われた日以降、制裁を発動できるが、1年以内の発動が義務となる。かつ、金融機関については1年以内に10項目ある制裁措置のうち少なくとも5項目を発動し、2年以内に全ての項目を発動させる必要がある。トランプ大統領は記者会見で、「同法は香港の自由の消滅に関与した個人・機関に責任を負わせる上で、わが政権に新たな力強い手段を与える」と発言外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしている。

また、トランプ氏は5月末に宣言していた香港への優遇措置停止(2020年6月1日記事参照)に関する大統領令外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。香港が中国へ返還された1997年7月1日以降も、香港へ認めてきた待遇を継続するとした1992年香港政策法外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます第201条(a)項の適用を幾つかの米国法(注1)に関して停止するとともに、15日以内に関係省庁の長に対して、優遇措置の停止を開始するよう指示した。それには例えば、香港籍パスポート保有者への優遇の撤廃、輸出管理規則に基づく香港への輸出、再輸出、国内移転にかかる許可例外の取り消し(注2)などが含まれる。

米中はこのほか、新型コロナウイルスへの対応や新疆ウイグル自治区での人権侵害、ファーウェイなど中国の通信機器大手の扱いなどでも対立を激化させている。トランプ大統領は、民主党大統領候補のジョー・バイデン前副大統領と対比させて、「わが政権以上に中国に厳しい政権はなかった」と強調しており、両国関係が改善する兆しはみえない状況だ。

(注1)大統領令外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますのSec.2の(a)~(f)を参照。(f)において、米国への輸入品目に関する原産地表記を規定する合衆国法典(USC)第19編の第1304条が含まれている。同条項にかかる香港への優遇措置の適用が停止するため、香港は貿易面で中国本土と同様の扱いとなる。

(注2)輸出管理規則上の優遇措置の停止に関しては、既に商務省が取り組んでいる(2020年7月1日記事参照)。

(磯部真一)

(米国、中国、香港)

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