大統領選挙期日を10月18日に変更、モラレス前大統領は反発

(ボリビア)

リマ発

2020年07月27日

ボリビアの最高選挙裁判所(TSE)は7月23日のプレスリリースで、9月6日に開催を予定していた大統領選挙(2020年6月29日記事参照)を10月18日に変更すると発表した。また、同日にいずれの候補者も当選を確定(51%の得票率の確保。または、同40%以上で2位と10ポイント以上の差の確保)しなかった場合は、11月29日に決選投票を行い、就任は12月に行われるとした。

TSEは、2つの理由から今回の変更を決定した。1つは新型コロナウイルスの感染状況の分析だ。国内外の専門家の見解を考慮した結果、感染ピークが7月末から9月初旬になるとの見通しだったため、ピーク後の感染下降時の開催が望ましいとしている。2つ目は2020年以内に新政権の樹立を達成しなければならないという憲法上の義務だ。

TSEは今回の変更によって、より国民の安全が保障され、また在外投票の実施や国際選挙監視団の受け入れ準備なども整うとしている。また、国会に対しては、先にTSEが提案していた「政治組織法」の無効化による、選挙キャンペーン広告費約3,500万ボリビアーノ(約5億4,250万円、1ボリビアーノ=約15.5円)の大統領選開催予算への振り替えを早急に承認するよう求めた。

新型コロナウイルス感染を7月9日に発表して以降、自宅隔離状態にあるジャニネ・アニェス暫定大統領は、自身のツイッターでTSEの決断に従うことを表明。一方、エボ・モラレス前大統領は、選挙の延期は現暫定政権によってもたらされた感染拡大と経済危機を助長するだけだと非難声明をツイッターで発表した。

(設楽隆裕)

(ボリビア)

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