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賃上げ抑制など、労働法の改正議論が活発化

(インドネシア)

ジャカルタ発

2020年07月28日

インドネシア商工会議所(KADIN)は7月16日、労働法や投資手続き法令を簡素化する「雇用創出オムニバス法案」(2020年2月28日記事参照)について、外国の商工団体などに対する説明会を開催した。例年の課題となっている急速な最低賃金の上昇については、毎年の上昇率を実質GDP成長率と同率までに抑制し、セクター別賃金を廃止する案を発表した。さらに、新型コロナウイルス感染拡大により企業が大きな影響を受けていることから、当初法案に盛り込まれていた従業員への一時金(Sweetner)の支給を撤回することを検討しているとした。

KADINのシンタ・カムダニ国際関係部門副会長は説明会で、最低賃金をセーフティネットと位置付け、引き続き中央政府の権限で決定したいと述べた。インドネシアの最低賃金上昇率は2015年政令78号により、「実質GDP成長率とインフレ率の和」で算出することが定められているが、実際は、労働組合との交渉により地方首長の権限でより高い上昇率のセクター別賃金が設定されるなどの事態が発生していた。今回の改正案が実現すれば、賃金上昇率の抑制と透明性の確保の両面で、大きな前進となる。

また、シンタ氏によると、退職金、契約社員、派遣社員の取扱いといった重要事項も改正する予定だ。それぞれ、支給金額の削減、契約可能年数の延長、対象業務の拡大が行われる見通し。さらには、政府予算による失業保険制度導入を見込んでいる。

労働組合が大規模デモを予告

雇用創出オムニバス法は、第2期ジョコ・ウィドド政権の目玉法案として、2020年2月に政府から国会に法案が提出された。同法は11分野で構成されており、労働法以外にも例えば、ライセンス手続きの簡素化や中小企業保護、経済特区などが含まれる。7月1日のCNNインドネシアの報道によると、このうち中小企業保護についての国会審議は6月30日までに終了し、今後は経済特区の審議を予定している。

他方、労働法部分については、労働組合が政府案の策定プロセスに関与していなかったとして、当初から強い反発を示していた。4月には、新型コロナウイルス感染症対策に集中するため一時的に国会審議が停止したが、その後、ジョコ大統領が法案の成立に強い意欲を示しており、労働省が7月、インドネシア経営者協会(APINDO)とKADIN、労働組合による3者会合を開いた。7月14日付の「コンパス」紙によると、同会合での協議は決裂し、労働組合は、同会合からの離脱および8月の大規模デモの実施を発表している。16日には、学生などによるデモが国会前で実施された。

(山城武伸)

(インドネシア)

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