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ジェトロ、ブラジルでの新型コロナ感染拡大の背景についてウェビナー開催

(ブラジル)

米州課

2020年07月20日

ジェトロは7月3日、ジェトロ・アジア経済研究所地域研究センターラテンアメリカ研究グループの近田亮平研究員を講師に、ウェビナー「コロナ禍のブラジル~感染爆発の背景~」を開催した。

ブラジルは現在、世界で2番目に多い新型コロナウイルス感染者数と死者数を記録している。近田研究員はブラジルにおける感染拡大の背景について、政治・社会・経済という3つの視点から解説した。

まず政治面では、「政府の統治能力に問題がある」と分析した。ジャイール・ボルソナーロ大統領は「コロナはただの風邪だ」などと新型コロナウイルス感染症を軽視する発言を繰り返していることを指摘し、「国難に際して国民を団結させることができていない」と述べた。また、政府の対策について、「感染防止優先の州知事および保健大臣と、経済優先または無策ともいえる大統領」といった対立により、「対策に関するリーダー間の連携ができていないことも感染拡大の要因になっている」と述べた。

社会面の問題について、ブラジルの貧困格差や国民の特徴を例に挙げて説明した。都市部には多くの貧困層が暮らしているファベーラやコルチッソといった不法占拠のスラム化した土地があり、そこでは衛生管理が難しいため、感染拡大につながっているのだという。近田研究員はまた、医療体制が不十分で全国民が満足な医療サービスを十分に受けられないという状況も問題視した。ブラジルには公的医療機関である統一保健医療システム(以下、SUS)が存在するが、SUSで提供するのは限定的な医療サービスで、かつSUSでは人的リソースや医療器材などが不足している現状があるためだ。加えて、カーニバルなど人と人とが接触しやすい祭りやイベントなどを頻繁に開催する文化があり、「2月末に国内で初の新型コロナ感染者が発覚する以前からコロナの拡散が始まっていた可能性は否定できない」とも述べた。

経済面については、「感染拡大の中でも経済を再開せざるを得ない」として、日々の収入に頼らざるを得ない国民が少なくないという経済事情を説明した。ブラジルでは、感染者数と死亡者数は上昇しているものの鈍化傾向にあるため、6月1日から州ごとの感染警戒水準に応じた経済活動の再開が始まっている。ただ、事業活動の再開により人々の接触機会が増え、これがさらなる感染拡大につながっているという。こうした状況について、近田研究員は「2億人の集団免疫が無秩序に試されているとも言えるだろう」とした。

(高氏朋佳)

(ブラジル)

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