EUの上半期の新車登録台数、前年同期比38.1%減

(EU)

ブリュッセル発

2020年07月17日

欧州自動車工業会(ACEA)は7月16日、2020年上半期(1~6月)のEU(マルタを除く26カ国)の乗用車の新車登録台数(暫定値)は前年同期比38.1%減の428万1,549台だったと発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。主要国別では市場規模順に、ドイツが34.5%減(121万622台)、フランスが38.6%減(71万5,798台)、イタリアが46.1%減(58万3,960台)、スペインが50.9%減(33万9,853台)となった。

主な自動車メーカーグループ別では、販売シェアの大きい順に、フォルクスワーゲン・グループが34.8%減の111万4,885台(上半期の販売シェア26.0%)、グループPSAが43.7%減の67万2,688台(同15.7%)、ルノー・グループが41.5%減の49万2,677台(11.5%)などとなった。日本の自動車メーカーでは、シェアが5.7%と最も大きいトヨタが27.4%減の24万4,005台となり、主要グループ別では比較的下落率が小さかった。

6月は22.3%減、最悪期は脱する

ACEAは「ロックダウン措置の解除に伴い販売店はビジネスを再開したが、消費者の需要は完全には回復していない」と、自動車市場が引き続き厳しい局面にあるとの見方を示した。他方、「新型コロナウイルス危機」の影響が本格化した3月(2020年4月20日記事参照)以降、単月では3月(前年同月比55.1%減)、4月(同76.3%減)、5月(52.3%減)、6月(22.3%減)となり、「わずかながら改善傾向がみられる」とも指摘した。

6月単月の国別の動向をみると、ポルトガル(前年同月比56.2%減)、クロアチア(49.4%減)など下落率の大きい国がある一方で、唯一プラスに転じたフランス(1.2%増)のほか、ベルギー(1.8%減)、チェコ(5.2%減)、スロベニア(5.8%減)など、やや持ち直しつつある国もみられた。フランスについては、政府が6月初めから実施した低炭素排出車の販売に対する新しいインセンティブ(2020年5月28日記事参照)が増加に寄与したと説明した。この点に関して、ACEAは7月9日に低炭素排出車および電気自動車に対するEU各加盟国の優遇税制や助成金などのインセンティブPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)をまとめ、発表している。

(安田啓)

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