第1四半期のEUの新車登録台数は前年同期比25.6%減、3月は55.1%減

(EU)

ブリュッセル発

2020年04月20日

欧州自動車工業会(ACEA)は4月17日、2020年第1四半期(1~3月)のEU(マルタを除く26カ国の統計、離脱した英国は含めず)の乗用車の新規登録台数(暫定値)は前年同期比25.6%減の248万855台だったと発表した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。3月単月では前年同月比55.1%減の56万7,308台に激減した。

イタリア、フランス、スペインなど主要加盟国で激減

ACEAは3月の急激な落ち込みについて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴って多くの加盟国で導入された国内経済活動の制限措置により、同月後半に販売店の大半が営業を停止した結果と総括した。3月単月の下落率を国別で見ると、イタリア(前年同月比85.4%減、2万8,326台)、フランス(同72.2%減、6万2,668台)、スペイン(同69.3%減、3万7,644台)の順に大きく、新型コロナウイルス感染拡大による被害の大きさを相当程度反映した結果となった。域内で登録台数が最大のドイツは同37.7%減の21万5,119台。3月は全ての加盟国で前年同期比マイナスとなった。

第1四半期で見ても、新型コロナウイルス危機の打撃を受けた3月の台数減が大きく影響した。国別では、イタリア(前年同期比35.5%減、34万7,193台)、フランス(同34.1%減、36万4,679台)、オーストリア(同32.4%減、5万4,680台)、スペイン(同31.0%減、21万8,705台)の4カ国で3割を超過する減少を記録した。ドイツは20.3%減の70万1,362台。リトアニアとキプロスを除く加盟国で前年同期比マイナスとなった。

ACEAでは4月16日に欧州自動車産業の再興に向けた4つの指針PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を公表したほか、欧州自動車部品工業会(CLEPA)と共同で4月15日、自動車業界の迅速かつ円滑な生産再開に向けたアプローチをまとめた「COVID-19に対するビジネス行動規約PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」を採択するなど、業界一体となった取り組みを強化している。

(安田啓)

(EU)

ビジネス短信 a293b6bcfb1bca19