韓国政府、2020年の税法改正案を発表
(韓国)
ソウル発
2020年07月28日
韓国の企画財政部は7月22日、税制発展審議委員会を開催し、2020年の税法改正案の審議を終了した。新型コロナウイルスの克服および経済活力向上を目指した今回の税法改正案は、12月に開催予定の国会を通過すれば2021年から段階的に施行される予定だ。
主な改正内容として、進出日系企業のビジネスにも大きく影響する関税分野では、半導体製造装置用の電気式マスフローコントローラー(英:Mass Flow Controller:MFC、HSコード:9032.89)の税率が、従来の8%から、液圧式および空気式マスフローコントローラー(HSコード:9032.81)の税率と同じ3%に統一される。
また基本税率や協定税率が0%、または減免規定により関税が免除された物品に対しては、無申告、過少申告の際に制裁を科すべく、過少申告に対して0.8%、無申告に対しては1.6%、不正行為による無・過少申告に対しては3.2%の加算税を新設する。
特殊関係取引の適正化に関しては、納税者に対し証明資料の提出を要求できる事由を次のとおり規定した。(1)同種・同質物品の価格と比較して10%以上の差がある場合、(2)取引価格が当該企業の費用・利潤を反映していない場合、(3)当該産業の正常価格決定の慣行に符合しない場合。また証明資料を提出しなかったり、提出書類を偽ったりした際、課税当局の是正命令を履行しなかった場合には、2億ウォン(約1,780万円、1ウォン=約0.089円)以下の罰金を追徴する。
上記のほか、高額所得者に対する所得税率の引き上げ、証券取引税の引き下げ、株式譲渡差益の非課税枠の拡大などが盛り込まれている。
〔当間正明、諸一(ジェ・イル)〕
(韓国)
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