8月1日から外国人の入国禁止措置を緩和

(ロシア)

モスクワ発

2020年07月29日

2020年3月から続いていた、外国人のロシアへの入国禁止措置が緩和される。2020年7月24日付政府指示第1915-r号により、8月1日から英国、トルコ、タンザニア国民は航空機でのロシア入国が認められる。また、ロシア国民もこれらの国への渡航が可能となる。

ロシア国内で国際線が再開するのは、当面の間、モスクワ市およびモスクワ州(シェレメチェボ、ドモジェドボ、ブヌコボ)、サンクトペテルブルク市(プルコボ)、ロストフ・ナ・ドヌ市(プラトフ)の空港に限定される。ロシアからの渡航先はロンドン、イスタンブール、アンカラ、ザンジバルの4都市に加え、8月10日からはトルコ南西部のリゾート地であるアンタルヤ、ボドルム、ダラマンが追加される。

ほかにも、国際線再開に向けた動きがある。エフゲニー・ディトリフ運輸相は7月24日、現在これら3カ国以外に約30カ国との間で国際線再開の交渉を行っていることを明らかにした。具体的な交渉先国については言及がなかった。

ロシア政府は、国際線再開のための基準を定めている。その条件は(いずれも対象国の)a.直近2週間の感染者数が10万人当たり40人未満であること、b.直近2週間の1日当たりの感染者増加率が1%未満であること、c.実行再生産率(1人の感染者が他人を感染させる数)が1未満であること、の3点。

外国人がロシアに入国するためには、搭乗前72時間以内に取得したPCR検査の陰性証明書をロシア入国時に持参する必要がある。また、労働のためにロシアに入国する場合には、引き続きロシア到着後14日間の自己隔離が必要となる。

その一方、日本からの入国については再開のめどが立っていない。在ロシア日系企業でも、4月以降の駐在員の新規赴任や一時退避駐在員のロシアへの再赴任が困難な事例がみられる。7月20~22日にジェトロがジャパンクラブと共同で行ったアンケート(回答数117社)では、新規赴任者が着任できないと回答した企業が全体の34%、一時退避した駐在員が戻れない企業が41%に上った。「(駐在員が一時退避した日本との間の)時差で仕事の効率が悪い」「新規のビジネスが拡大できない」など、実務上の弊害を指摘する声が多い。

(梅津哲也)

(ロシア)

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