新型コロナ禍の影響で苦境のスイス国鉄へのつなぎ融資を決定

(スイス)

ジュネーブ発

2020年07月03日

連邦参事会(内閣)は7月1日、「新型コロナ禍」の影響による資金流動性不足におちいったスイス国鉄(SBB)を救済するため、同社に対して最大5億5,000万スイス・フラン(約600億円、CHF、1CHF=約110円)を市場金利で1年間追加融資することを決定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

新型コロナウイルス感染の影響に伴う行動制限措置が講じられている間の乗客減により、SBBは稼働率を平時比25%削減していた。この大幅な収入減によりSBBは資金流動性を失い、政府に緊急の追加支援を求めていた。

連邦参事会はSBBの破綻回避のため、連邦政府とSBB間の協定を改定して、現在最大1年間で2億CHFの国庫融資枠を7億5,000万CHFにまで拡大することとした。これにより、SBBは2020年末までの資金手当ができると見込まれている。

2020年秋にSBBは2021-2026年の中期経営計画の策定を予定している。これは「新型コロナ禍」による旅客輸送ニーズの予想不確定性を反映させたものとなり、今秋以降の政府によるさらなる中期的資金手当ての要否を検討する際の判断要素となる。

(和田恭)

(スイス)

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