シンガポールとマレーシア首相、越境通勤を含む相互渡航再開に向け協議

(シンガポール、マレーシア)

シンガポール発

2020年07月01日

シンガポールのリー・シェンロン首相とマレーシアのムヒディン・ヤシン首相は6月26日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて3月18日から停止している両国間の相互渡航の段階的再開に向け電話協議を行った。両国首相は、公務またはビジネス上必須な相互出張を認める「相互グリーン・レーン(RGL)」の設置と、越境通勤者を対象に定期的な往来を認める「定期通勤協定(PCA)」を結ぶことで合意した。両国政府は具体的な手続きについて話し合っている段階で、相互渡航開始日は未定。

シンガポール外務省の発表によると、RGLは両国が合意した新型コロナウイルス感染防止措置を順守すれば公務・ビジネス上必須と認められる相互渡航を認めるもの。両国間は現在、感染防止措置について協議中だ。

マレーシア南部ジョホール州のシンガポールへの越境通勤者、一時帰国が可能に

また、PCAは、マレーシアとシンガポールの両国民で互いの国の就労パスを保有する場合、少なくとも3カ月間継続して一方の国に勤務すれば、休暇のために一時帰国しても、また再入国することを認めるもの。

マレーシア南部ジョホール州とシンガポールを結ぶ連絡橋を渡り、通勤や通学などを目的に往来する人は毎日約30万人と推定されている。マレーシア政府が3月18日に移動制限令(6月10日から回復移動制限令へ移行)を実施したことを受けてシンガポールでは、ジョホール州からの越境通勤者が入国できず、勤め先が用意した宿舎での滞在継続を余儀なくされている(6月26日付地域・分析レポート参照)。

シンガポールで6月28日に確認された新型コロナウイルスの新規感染者は213人で、同日までに確認された感染者は累計で4万3,459人(うち、26人が死亡、1人が重篤、3万7,508人が回復)となった。

(本田智津絵)

(シンガポール、マレーシア)

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