広東省、上半期GRP成長率は前年同期比マイナス2.5%、5G産業の発展を加速

(中国)

広州発

2020年07月27日

中国・広東省統計局の7月19日の発表によると、2020年上半期(1~6月)の同省の域内総生産(GRP)の成長率は前年同期比マイナス2.5%、総額は4兆9,234億2,000万元(約73兆8,513億円、1元=約15円)だった。減少幅は同年第1四半期(1~3月)から4.2ポイント縮小した。産業別に成長率みると、第一次産業が1.6%、第二次産業がマイナス6.2%、第三次産業が0.1%だった。

社会消費品小売総額は前年同期比14.0%減の1兆7,900億元だったが、新型コロナウイルスの影響で新しい消費様式が盛んとなり、オンライン小売額は20.2%と2桁増となった。一定規模以上の工業企業(注1)の付加価値増加額は同6.4%減だった。貿易額は7.1%減の3兆600億元、うち輸出が8.5%減の1兆8,200億元、輸入が5.0%減の1兆2,400億元だった。いずれも前期と比べて伸び率は改善しており、回復基調が見て取れる。

固定資産投資は前年同期比0.1%増となった。うちインフラ投資は7.2%増と、第1四半期から18.6ポイント上昇してプラスに転じた。第5世代移動通信システム(5G)やデータセンターを代表とする新型インフラ建設(注2)投資は18.6%増だった。

5G産業発展へ行動計画を発表

5G産業の発展を加速するため、広州市工業情報化局は7月17日、「広州市2020年5G産業の発展を加速する重点行動計画」(以下、行動計画)を発表した。行動計画では、2020年末までに新規5G基地局1万2,700カ所、5Gユーザー500万人、5G応用シーン300カ所、5G応用体験センター5カ所などの数値目標を設定した。目標達成のために、(1)5Gネットワークの整備への投資拡大、(2)全市のデータセンターの建設加速、(3)工業、医療、交通、自動車などの分野における5Gの応用加速、(4)ネットデジタル製品などの5G関連消費の促進、(5)5Gの関連設備製造・応用分野などの重点誘致企業リストの作成と、中国内の5G重点企業の育成など15の主要活動を掲げている。

(注1)その年の主な業務による売上高が2,000万元以上の工業企業。

(注2)5G、データセンター、人工知能(AI)技術などを支えるデジタルインフラ、充電スタンドをはじめとする次世代交通インフラなどを指す。

(梁梓園)

(中国)

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